小径を行く

時代の移ろいを見つめた事柄をエッセイ風に書き続けております。現代社会について考えるきっかけになれば幸いです。筆者・石井克則(ブログ名・遊歩)

1235 キジバトその後 巣作り終えてひなを待つ

画像

 キジバトの話を先週のブログに書いた。5月7日にキウイフルーツの木の間に巣作りを始めたハトたちは、しばらくは午前中の短い時間しか巣にいなかったが、いつのまにか完成し、卵を産んだのか11日からは終日、巣の中に必ず一羽がいるようになった。平和の象徴といわれるハトの雛が無事にかえることを願う日々がしばらく続くことになる。

 キジバトの習性について調べてみると、1回2個の卵を産み、卵を抱えるのは15、6日で、昼は雄が夜はメスが担当するらしい。かえった雛は15日程度で巣立つというから成長は早く、今月中にはいなくなってしまうかもしれない。巣にいるハトを撮影してみたが、写真を見て雄雌の違いはよく分からない。

 警戒心が強いといわれるので写真撮影には細心の注意が必要で、望遠レンズを使った。 ハトは平和の象徴で、穏健な人物の思想や行動に関し使われるのが「ハト派」という言葉である。一方、強硬な考え方を持つ政治家などを猛禽類のタカを想定して「タカ派」というが、タカにとってあまりうれしいことではないだろう。

 最近読んだ松浦寿輝著「川の光 2」にはキッドという名前の若いクマタカが出てくる。この本は、他の動物たちとともに自分を助けてくれて悪い人間につかまってしまった犬のゴールデンレトリーバーを救出するストーリーである。

 キッドは誇り高く、情にも厚い。「タカ派」といわれるような精神の持ち主ではなく、この小説を読んで私はタカのイメージを変えた。だが、日本の政治リーダーのイメージは最悪である。タカにとっても迷惑なことだろう。 ハトの話に戻るが、俳句で「鳩」の季語はなく、秋の季語の中に「鳩吹く」がある。

「俳句歳時記」(角川学芸出版)には「鳩の鳴き声をまね両手を合わせて吹くこと。山鳩を捕まえるためとも、鹿狩りの際、獲物を見つけたという合図に吹いたともいう」という解説が出ている。 ハトについては夏の季語である愛鳥週間(バード・ウィーク、5月10日から1週間)にちなんだ句「愛鳥週間手を差しあげて鳩放つ」(尾形嘉城)が歳時記に載っていた。

 俳句は連歌(短歌の上の句=575と下の句=77を別の人が詠む。鎌倉時代に始まり、室町時代に盛んになった)から発展した文芸といわれ、季語も連歌の時代から使われていたという。愛鳥週間は昭和22年(1947)に始まった行事で、季語とじては比較的新しい。

 写真 1、けさのキジバト 2、昨日撮影のキジバト(位置が変わっている)

画像