小径を行く

時代の移ろいを見つめた事柄をエッセイ風に書き続けております。現代社会について考えるきっかけになれば幸いです。筆者・石井克則(ブログ名・遊歩)

1183 ネパールコーヒーと焙煎 冬至過ぎ赤く熟した実

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 私の部屋に観賞用のコーヒーの木がある。娘がかなり前に小さな苗木をもらってきたのが、いつの間にか1メートル60センチ以上に伸び、このところ毎年実をつけるようになった。ことしもコーヒーの実が色づく季節になった。オリーブよりもやや大きめで緑色から次第に赤く色が変化している。

 コーヒーはアフリカのエチオピアが発祥の地らしい。それが回りまわって東洋の日本にも伝わり、1本の木は寒い冬をわが家の室内で耐えている。次第に赤くなっていくコーヒーの実は、年を越えて春の到来ごろまで、この部屋で付き合ってくれるはずだ。 冬至だった昨日、私の家周辺にも初霜が降った。

 1カ月以上も前から咲いていた山茶花の花も散り始めているが、まだつぼみが残っているので、当分頑張るだろう。二四節気の「霜降」(そうこう)は、霜が初めて降りるころ(新暦では10月23~27日ごろ)といわれるが、わが家周辺の霜降がこんなに遅かったのは、やはり温暖化の影響なのだろうか。

 冬至の昨夜は、いつもの習慣でカボチャを食べ柚子風呂に入った。例年なら庭にある柚子の木から取った実を使うのだが、ことしはこの柚子の木は休息の年らしく、わずかに小さな実を1個つけただけだったので、スーパーで買ってきたものを風呂に入れた。風呂から上がると、私の部屋のコーヒーが「寒いから早く暖房を入れて」とでも言うように、葉がしおれている。 コーヒーの生の青い実がダイエットに効果があるという記事をインターネットで見た。

 かなり以前から、コーヒーがダイエットにいいという説がある。それに対し、効果はないという反論もある。そのどちらが正しいかどうかは私には分からない。しかし、世界の人口(2013年で約72億人)の半分以上が一日に一杯のコーヒーを飲んでいるといわれるそうだから、嗜好品としてのコーヒーは根強い人気がある。

 海外の仕事が多い友人は最近、ネパールでもらった「ネパールコーヒー」の生豆を自分でロースト(焙煎)したという。焙煎した豆を買ってきて、自宅でミルを使って粉にしている人は多いだろうが、焙煎を個人がやっているという話は聞いたことがなかった。友人によれば、ネパールの貧しい女性たちの働き先として、知り合いのサンタさん(本当です)という人がコーヒー園を作った。そこで生産された豆をプレゼントしてもらい、自分で焙煎してさらに粉にして飲んだところ、非常においしく、ぜいたくな時間を味わったのだそうだ。

 ネパールのコーヒー栽培の歴史は浅く、海外に輸出されるようになったのは21世紀に入ってからのことで、日本でも知名度はあまりない。私はネパールに行く機会が多い友人から数年前にネパールコーヒーを土産にもらい、その風味に魅了された。この国がコーヒーの産地としてこれから大きく成長するのではないかという予感を持った。 先日、観光でネパールを訪れた別の友人もこの国のコーヒーを味わう機会があったという。

 私の部屋のコーヒーの実は10数個しかない。だから焙煎はできないが、しばらくは赤い実を楽しむことにする。札幌に13年前から2年間住んでいた。当時の住まいの前にコーヒー焙煎の専門店があり、太い煙突から豆を燻すにおいが周辺に漂っていた。ネパールの豆をローストした友人の家ではしばらくの間、あの独特の香りが消えなかったのかもしれない。

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