小径を行く

時代の移ろいを見つめた事柄をエッセイ風に書き続けております。現代社会について考えるきっかけになれば幸いです。筆者・石井克則(ブログ名・遊歩)

927 雨から変わった夜の雪 新鮮な見慣れた風景

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 北国生まれの人間にとって雪は懐かしい存在だ。ほとんど雪が降らない首都圏にも、昨夜から未明にかけて雪が降った。「更けゆくや雨降り変はる夜の雪」(小沢碧童)。師の河東碧梧桐の通夜の句だそうだが、今回の雪はまさしくこの句の通りだった。

 朝になって太陽が出ると、ふだん見慣れた風景が新鮮に映った。いつもの朝よりなぜか張り切って散歩に出かけた。わが家周辺の、雪の朝の写真を掲載する。 朝の犬の散歩コースである。

 庭から、遊歩道に出ると、子どもたちの登校を見守ったお母さんたちが帰っていく。太陽が母親たちに「ごくろうさん」と語りかけているようだ。(写真1) さらにはしゃぎまわる犬を連れて、調整池に行くと、後方の雑木林の木々の枝には樹氷のように、雪が張り付いている。その姿が池に映って幻想的でさえある。桜が満開のように見ることができる。(写真2)

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 雑木林から少しだけ、赤いとんがり屋根をのぞかせているのは小学校だ。子どもたちは今朝もさっそうと遊歩道から校門へと入って行った。北海道・美瑛の有名な小学校の校舎ほどではないが、こうして見ると、けっこう雪の風景に溶け込んでいる。(写真3)

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 調整池の遊歩道には、人間と犬の足跡が幾何学模様風に残っていた。これだけの足跡があるのに私と犬のほかは姿が見えない。早い時間に歩いた人と犬がいるのだろう。(写真4)

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 散歩の友の犬(hana)は、大はしゃぎした後、家に戻るとこんな顔になった。もう少し歩きたかったらしいのだ。普段は家の中でほとんどごろごろとして寝ているだけだが、雪に触れると野性を取り戻したように興奮し、リード(ひも)をぐいぐい引っ張り、リードが外れて逃げ出し、私に怒られた。(写真5)

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