小径を行く

時代の移ろいを見つめた事柄をエッセイ風に書き続けております。現代社会について考えるきっかけになれば幸いです。筆者・石井克則(ブログ名・遊歩)

2008-07-26から1日間の記事一覧

306 肘折温泉にて コーヒーの思い出(2)

「お客さん、どうしたのですか」 お客さんというからには、この宿の女中さんかなと、私は顔を上げた。しかし、目の前にいる女性は、どうもそんな感じはしない。 どこか垢抜けている。年齢は22、23歳くらいか。さわやかな顔立ちをしている。私の疑問はすぐに…

306 肘折温泉にて コーヒーの思い出(2)

「お客さん、どうしたのですか」 お客さんというからには、この宿の女中さんかなと、私は顔を上げた。しかし、目の前にいる女性は、どうもそんな感じはしない。どこか垢抜けている。年齢は22、23歳くらいか。さわやかな顔立ちをしている。私の疑問はすぐに解…

305 肘折温泉にて コーヒーの思い出(1)

山形県の肘折温泉は、すり鉢の底のような、谷の底辺部に位置している。もう5月というのに、道路の周囲にはまだ1㍍余の雪がしぶとく残っていた。 車はのろのろと走っているのに、その振動で残雪がいまも雪崩となって襲ってくるのではないかと心配になるほど…

305 肘折温泉にて コーヒーの思い出(1)

山形県の肘折温泉は、すり鉢の底のような、谷の底辺部に位置している。もう5月というのに、道路の周囲にはまだ1㍍余の雪がしぶとく残っていた。車はのろのろと走っているのに、その振動で残雪がいまも雪崩となって襲ってくるのではないかと心配になるほどだ…