小径を行く

時代の移ろいを見つめた事柄をエッセイ風に書き続けております。現代社会について考えるきっかけになれば幸いです。筆者・石井克則(ブログ名・遊歩)

802 4月のhanaのつぶやき 桜が満開ですが・・・

画像 この間の日曜日に、家族と一緒に近所の遊歩道を散歩しました。桜が満開で私(ゴールデンレトリーバー)とちびちゃん(ミニチュアダックスフンド)は大満足ではしゃいで歩きました。でも、家族もあまり元気がないし、道を歩く人たちも様子が変なのです。ふだんなら、お酒を飲んで騒いでいる人たちがいるのに、そんな姿はありません。先月の大きな地震以来、日本はどうなってしまったのでしょうか。 あの日のことは、よく覚えています。家にはお姉さんと赤ちゃん、それに私とちびが留守番をしていました。大きな揺れがあって、お姉さんは慌てて赤ちゃんを抱き、私とちびちゃんを連れて外に逃げ出しました。その後も余震があって、なかなか家に入ることができません。赤ちゃんが風邪をひかないか心配でした。 その夜、家族はだれも帰ってきませんでした。地震交通機関がマヒして帰ることができなかったのです。だから、お姉さんは、赤ちゃんを抱っこしたまま、私とちびちゃんを見守りながら1階の居間のソファーに座ったまま夜を過ごしました。私は雷が大嫌いで、ゴロゴロ鳴り出すと体が震えるのですが、大きな地震でもそうなりました。私以上にちびちゃんは震えていました。 あれからもう1カ月が過ぎました。余震というのだそうですが、毎日、揺れが続いています。だから、花が咲いて散歩が楽しい季節なのに、散歩を楽しむことができません。ちびちゃんは、家にいると揺れが感じるので、外にいる方が楽しいようです。うれしそうに走り回る姿を見て、そう思います。 今度の地震では、私たちの仲間が津波で被害に遭った地方に向かったそうです。津波で家が壊され、がれきになった場所を生きている人がいないかどうか捜索する手伝いをしたのです。 その場所はいろいろな災害場所に行った人たちも、これまで経験したことがないほどのひどさだったそうです。私には仲間のような能力はありません。でも、ちびちゃんと一緒に家族を守りたいと思うのです。 私はこの夏9歳になります。満開の桜は何度も見ましたが、ことしほど寂しい桜の季節はありませんでした。それは長い人生を送っているお父さんやお母さんも同じ気持ちかもしれません。来年は、楽しい花見ができるように、私もちびちゃんも祈っています。