小径を行く

時代の移ろいを見つめた事柄をエッセイ風に書き続けております。現代社会について考えるきっかけになれば幸いです。筆者・石井克則(ブログ名・遊歩)

780 大聖堂も崩れたNZの地震 日本人留学生よ

画像ニュージーランド第二の都市、クライストチャーチが大地震に見舞われた。 私は子どものころからなぜか、ニュージーランドに憧れていた。なかなか行く機会がなかったが、2007年9月になって長年の夢が実現した。成田から直行便で南島最大の都市、クライストチャートまでは約11時間半だから、ヨーロッパとあまり変わりはない。 空港からバスに乗ると、美しい街並みが目に飛び込んできた。その街が大地震に襲われたというニュースを見て胸が痛んだ。街の中心部にある大聖堂の建物も崩れたという。日本人観光客も多い街で、被害の拡大が心配だ。そう思っていたら、かなり多くの日本人留学生が崩れた建物の下敷きになっているという情報が流れている。この人たちの無事を祈るのみだ。(先端部分が崩れたというかつての大聖堂) クライストチャーチは緑が多く、ガーデンシティ(庭の街)と呼ばれるそうだ。その通り、公園も目についた。ツアー初日には公園の散歩のあと、ある家庭を訪問してお茶を飲むという楽しい予定も入っていた。芝生の緑が美しい家庭にお邪魔し、コーヒーと手作りのケーキをごちそうになった。 芝生の庭にはベンチが置かれ、そのベンチに座り、ゆったりとした気分でコーヒーを飲み、ケーキを食べた。だが、立ち上がると、上衣の背中にべったりとペンキが付いていた。この家の主がベンチを塗り替えたばかりであることを忘れていたため、こんなことになってしまったようだ。すぐにクリーニングに出してもらったが、ペンキは完全に除去されず、いまでもこの上衣を着ると、ニュージーランドの旅を思い出す。 ニュージーランドの旅では、初日からハプニングに見舞われたが、美しい自然の中での食事とワインがおいしくて帰るまでに数キロ太ってしまった。 クライストチャーチには、シンボルといわれる約60メートルの大聖堂があり、観光コースの目玉になっている。もちろん、ここにも行った。この建物が今回の地震で先端部分が崩れたというから、残念としか言いようがない。 ニュージーランドには、世界屈指のラグビーチーム、オールブラックスがある。彼らは試合前にマオリの民族舞踊、ハカを踊ることでも知られている。その踊りは見る人に勇気を与えてくれる。 クライストチャーチの人々はいま余震におびえながら、不安な時間を送っていることだろう。同じ地震の多い国に住む私は、クライストチャーチの市民がこのハカダンスの精神で立ち直ってほしいと願うのだ。 (歌の意味・一部略=私は生きる、私は生きる。見よ、この勇気ある者を。ここにいる毛深い男が再び太陽を輝かせる。一歩はしごを上へ、さらに一歩上へ。そして最後の一歩、そして外へ一歩、太陽の光の中へ)
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