小径を行く

時代の移ろいを見つめた事柄をエッセイ風に書き続けております。現代社会について考えるきっかけになれば幸いです。筆者・石井克則(ブログ名・遊歩)

726 野球は過去のスポーツなのか BSだけで放映の日本シリーズ

中日とロッテのプロ野球日本シリーズが始まり、第一戦は5―2でロッテが勝った。テレビでこの試合を見ようとしたら、地上波の放映はなくNHKBSでしかやっていなかった。BSを見ることができない人はあきらめろということなのだろうか。

テレビ局の野球に対する冷たさを感じる。数日前のドラフトの際、元ハンカチ王子早大、斎藤投手の去就について大騒ぎしていたのは何だったのかと思う。

先週発売の週刊誌によれば、もともと日本シリーズの名古屋ドーム戦については、TBS系の中部日本放送CBC)を通じて、TBS系が地上波で放映する予定だった。ところが、TBSは「世界女子バレー」の放映と重なったため、こちらを優先し地上波での全国放送は見送られたのだという。

CBC側は、中日の落合監督に「デイゲームはどうか」と要請したが、選手のコンディションを理由に断わられてしまった、全国中継されないのは落合監督のせいとばかりのニュアンスでこの記事は書かれていた。

実は、この前段階のパリーグのクライマックス戦も、私の知る限りほとんど地上波では放映されなかった。数年前まではセリーグの巨人戦は必ずどこかのチャンネルでやっていたが、昨今は野球の全国中継は地上波から姿を消してしまった。それでいて斎藤君のような話題になると、繰り返し放送するのだから民報の姿勢はよく分からない。

日本シリーズといえば、かつては多くの国民が熱狂してテレビで観戦したスポーツだ。今回の中日、ロッテというチームは、巨人や阪神に比べたら派手さはないから、テレビ局側は「視聴率は稼げないな」と思ったのだろうか。テレビ局の感覚では「野球は過去のスポーツ」になってしまったのだろうか。

そんなことはないはずだ。TBSの日曜の番組「サンデーモーニング」で、スポーツを担当する辛口の張本さんは、こんなテレビとプロ野球の関係をどう思っているのか、聞いてみたいものだ。TBSに遠慮して何も言わないかもしれないが、内心では「喝」と思っているのかもしれない。