小径を行く

時代の移ろいを見つめた事柄をエッセイ風に書き続けております。現代社会について考えるきっかけになれば幸いです。筆者・石井克則(ブログ名・遊歩)

597 hanaのつぶやき お父さんのミステーク

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2月もあと1週間で終わりです。人間には寒い季節でしょうが、私(ゴールデンレトリーバー)のような犬には、夏に比べたらすごしやすい方です。きょうは、私の家で一番いい加減なお父さんの話をします。きょうの出来事です。

夜、お父さんを迎えにたまたま里帰りをしていたお姉ちゃんが駅まで行きました。駅の階段で足が肉離れになったという電話で、お姉ちゃんが車で向かったのです。駅にだれかを迎えに行く時には、私も一緒に行くのですが、きょうはダメと断られました。

間もなくお父さんとお姉ちゃんが帰ってきました。お姉ちゃんはげらげら笑っています。私は耳を立てて、お姉ちゃんがママに報告するのを聞いていました。

「お父さんは私の車の前に止まった車に近づいて乗り込もうとドアに手をかけたんだよ。そしたら、後ろから来たおじさんに、違う、違うと注意されたんだ。なぜだか分かるかな。うちの車と同じ車種、色も一緒だったんだよ。でも、間違うかなあ・・・」

そんな話でした。そういえば、最近、私の家では新しい車になりました。私は車が大好きなのですが、新しい車のにおいをかいだだけで乗るのが嫌になりました。新しい家の木の香りなら、私だって好きなのですが。

なぜ、いつもは慎重なお父さんが車を間違ったのでしょうか。会合があって、少しアルコールが入っていたようです。でも、目の方はまだ自慢するぐらいいいと聞いています。お父さんは、みんなに笑われて、言い訳をしていました。

「迎えに来てくれると聞いて、車を見ていたら、ちょうどうちのと同じ色(黒)の車が来たので、ああお姉ちゃんだと思って、近づいたんだよ。でも、後ろから来た人に、違う、違うといわれて、運転席を見たら若い男が座っていたので、びっくりしたよ。ははは・・・」

お父さんに言わせると、うちで購入した車は最近のベストセラーなのだそうです。そのせいか、街のあちこちで同じ車を見かけることがあります。それなのに、アメリカではいま大変になっているんだと、お父さんがママに話しているのを聞いたことがあります。なぜ問題になったのか、いろいろ理由があるようです。

私は、このメーカーの前の車が大好きでした。車内が広くて、後部座席の窓から上半身を出すのがうれしいのです。家族は「ああhanaの暴走族が始まった」と笑います。暴走族が窓から身を乗り出す格好とそっくりなのだそうです。新しい車になってからは、お父さんは、窓を少ししか開けてくれませんので、暴走族の真似はできなくなりました。

お父さんは、けさの散歩の後、一緒に行ったお姉さんに怒られていました。散歩コースに笹の葉が多い場所があります。私はその場所が大好きで、そこに行けば、笹を食べるのです。笹を食べると、胃の調子がよくなるのです。お父さんは、「ほら、あそこに行くぞ」と言いながら、笹の葉の場所に連れて行ってくれました。ところが、私が笹を食べ始めると、リードを引っ張って、速く歩いてというのです。仕方なく歩き始めたのですが、それがお姉ちゃんには不満だったようです。もう少し、私の好きなようにしてやればと思ったようです。だから、家に帰って文句になったのでしょう。

私から見ると、お父さんは「お天気や」です。機嫌のいいときは、あきるくらい遊んでくれますが、逆のときは相手にしてくれません。でも、私はそんなお天気やのお父さんが好きなのです。ただ、順番ではわが家では最下位ですが・・・。