小径を行く

時代の移ろいを見つめた事柄をエッセイ風に書き続けております。現代社会について考えるきっかけになれば幸いです。筆者・石井克則(ブログ名・遊歩)

539 現代を象徴する事件と警察力

結婚詐欺で起訴された34歳の女が、ほかの男性4人にも合わせて1億円を貢がせていたことが話題になっている。しかも、この4人は、女に金を貢いだ後、亡くなっている。出会いはインターネットというから、現代の最先端を利用した犯罪なのだろうか。それにしても、4人の死を警察は不自然に思わなかったのだろうか。それが疑問なのだ。 埼玉県警に逮捕された女は、東京の高級マンションに住み、外車を乗り回していた。詐欺師は巧みな話術が大きな武器だそうだ。「婚活」という言葉が流行語になっている。辞書によると、女性の社会進出、晩婚化、ライフスタイルの多様化などで独身者が多くなり結婚のためには就活(就職活動)のように積極的な働きかけが必要な時代なのだという。女は巧みな話術と婚活、インターネットという流行をうまく使って、結婚願望の男たちを手玉に取ったのだろう。 亡くなった4人は、事故や自殺として扱われたようだ。警察はきちんと捜査したのだろうか。これから捜査がどのような展開になるのか分からないが、4人の死が女の作為的行為(殺人)だった場合、捜査の甘さが批判されるだろう。 千葉大学の女子学生が殺害された事件では、ATM(現金自動出入機)で被害者の口座から現金を引き出した帽子をかぶった男の画像が公開された。この男が犯人と断定はできないが、角度は高いだろう。だが、こうした画像の公開は、捜査が難航していることの裏返しのように思えてならない。これが当たっていないことを祈るのだが、千葉県警は、2007年3月の英会話学校講師の英国人女性殺害事件(容疑者の指名手配は死体遺棄容疑)でも、写真まで公開したのにいまだに容疑者を逮捕していない。 小説では、詐欺師は凶悪犯罪には手を染めないというのが基本だ。しかし、現実の世界はそうではなくなっているようだ。口封じのために仲間4人を殺害した振り込め詐欺グループもある。 犯罪は時代を反映しているという。現代のように混沌とした時代では、犯罪の手口も複雑化、巧妙化しているのだ。それだけに警察の捜査も難しくなっている。凶悪犯罪を抑止するには、難事件を解決し刑事警察の力量を国民、市民に示すことが重要なのだと思う。(文化の日養老渓谷を犬のhanaと歩きながら、こんなことを考えた)
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