小径を行く

時代の移ろいを見つめた事柄をエッセイ風に書き続けております。現代社会について考えるきっかけになれば幸いです。筆者・石井克則(ブログ名・遊歩)

512 緊急事態その2 感動的犬のストーリー

わが家の犬が爪楊枝を飲み込んで大騒ぎをしたことは、前回のはなのつぶやきの通りだ。実は、こうした犬にまつわる「事故」はそう珍しいことではないようだ。わが家の話を聞いた家族の友人(Aさん)が、こんなことがあったと連絡してきた。それは感動的であり、そして不思議なストーリーだった。

Aさんの家でのことである。ある日、Aさんの妻が祖父母のためにと買ってきた約10センチの串に刺さっただんご2本をだれも知らないうちに犬(ラブラドールレトリーバー)が食べてしまった。だんごがないことに気付いたAさん家族は慌てて近所の動物病院に駆け込み、獣医師が開腹手術をしてもらった。だが、串は発見できず、獣医師は「本当に食べたのかなあ」と疑う始末だったという。

串が見つからなかったため手術代はおまけしてくれたが、腹を切られた犬はそのまま病院に入院した。退院後も首にカラーを巻いて不自由な生活が続いた。その後、3週間がたった。Aさんの祖父が急死した。自宅から出棺したあと、急に犬がはしゃぎ出し、せき込んだ。その直後、何と犬の口から串2本が出てきたのだ。食道か胃の周辺に残っていたのかもしれないが、開腹した際はうまく見つからなかったのだ。Aさんが行った動物病院では内視鏡がなかったため、緊急事態だとして手術をしたという。

Aさんは、内視鏡のある病院ならばもっと早く見つけることができたはずと反省するとともに「亡き祖父が吐き出させてくれたのではないか」と、家族みんなで故人に感謝し、涙を流したそうだ。

犬や猫など、ペットを飼う家庭が多い。そして、ペットはその家の一員として大事にされている。しかもペットは食べることが大きな位置を占めており、飼い主が注意をしないと、わが家やAさんの家のように「事故」が起きてしまう。それは、ペットにとって迷惑なことであり、飼い主側に大きな責任があるといえる。

わが家の犬のhana(ゴールデンレトリーバー)は、痛い注射を打たれて悶えたのを忘れ、普通の日常に戻り、気ままな生活を送っている。日中も涼しいために気分もいいのか、私が帰宅すると、声を出して絡まってくる。これまでは寝そべっていて気付かないふりをしていた時もあるので、かなりの変わりようだ。今夜は別の犬が遊びに来て、2匹は家中を走り回って大騒ぎをしている。