小径を行く

時代の移ろいを見つめた事柄をエッセイ風に書き続けております。現代社会について考えるきっかけになれば幸いです。筆者・石井克則(ブログ名・遊歩)

319 8月(11) 本家と分家の争い グルジアとロシアの紛争

国際情勢の難しいことは分からない。しかし、いま起きているロシアとグルジアの問題は、日本の本家と分家の関係に当てはめると、理解しやすい。

ロシアのメドベージェフ大統領が、グルジアからの分離独立を求める南オセチア自治州アブハジア自治共和国の独立を承認する大統領令に署名したと朝刊は伝えた。それによって、欧米とロシアの対立は深刻化するのが必至だというのである。

グルジアは、ソ連崩壊後のロシアから独立した。その後、ロシアよりも欧米諸国へ距離を縮めようとしている。グルジア国内には分離独立を求める南オセチア自治州アブハジア自治共和国があるが、グルジアはそれを認めない。にもかかわらず、ロシアはグルジアの頭ごなしに独立を承認したのである。

本家と分家の関係で見ると、本家はロシア、分家はグルジアだ。いまや本家と分家は考え方が違っていて、付き合いはほとんどない。ただ、分家の家族の中には分家よりも本家と一緒の方がいいと考える家族もおり、その家族はさらに独立したいと思う。そこで、ひそかに本家と相談する。

分家の行動を快くないと思っていた本家は、ここぞとばかりに独立したいと訴えてきた分家の家族の一部に対し、支援を約束する。それが、ロシア大統領の「独立承認」という行為である。

その行為に対し、アメリカと欧州各国はロシアを厳しく非難して国際情勢は、不安定感を増しているのだ。

前回のブログで紹介したむのたけじさんは、究極的には世界は国境なしに行き来するのが理想だと話している。

さらに、女性が政治の実権を握れば、世の中が変わると言う。それによって、世界から戦火が消えることが可能になるかもしれない。江戸時代に長い間の鎖国を続けた日本。時が流れて、国境不要を唱える老ジャーナリストの存在は頼もしい。