小径を行く

時代の移ろいを見つめた事柄をエッセイ風に書き続けております。現代社会について考えるきっかけになれば幸いです。筆者・石井克則(ブログ名・遊歩)

436 ストレス時代 最近のニュースに思う

 最近の新聞やテレビのニュースを見ていて感じるのは「ストレス社会」ということだ。病んだ社会というのだろうか。

  自殺者が11年連続して3万人を超え、プロ野球・広島カープのボール犬は11歳なのに老衰で死亡し、SMAPの草彅剛は酔っ払ったあげくに裸で騒いで警察に捕まってしまう。いずれもストレスが要因なのではないかと思う。

  始発駅から電車に乗る。座った人の大半は携帯電話をチェックするか、眠る態勢に入る。乗り換えて別の電車に乗ると、みんなが不機嫌な顔をしている。もちろん、にこやかにとは思わないが、重苦しい空気にこちらまで気分が重くなる

  こんな時代を精神医学者はどういうふうに表現するのだろうか。

  私は「過度のストレス社会」と言いたい。広島のボール犬はわが家で飼っているゴールデンレトリーバーと同じ犬種である。人間が大好きで大人しい性格だ。だが、ストレスには弱い。わが家で一番大事にしてくれる人(私の妻)が留守をすると、途端に元気がなくなる。旅行で1週間以上もいなくなったら大変だ。下痢はするし、散歩も嫌がる。

  そんなわが家の犬を見ていて、ボール犬はさぞストレスがたまったのではないかと思っていた。だが、まさかこのように早く死ぬことは予想もしていなかった。テレビの映像しか見ていないが、愛すべき犬だった。

  日本人も心優しい人たちが多いから、ストレスに耐え切れずに自ら命を絶ってしまうのだと思う。SMAPのメンバーの中で一番真面目さを売り物にしていた草彅君も、人知れずストレスを抱えていたのかもしれない。(警察、メディアの過剰反応は、いまさらながらあほらしい)

  社会生活は、適度なストレスが必要だという。しかし、過度になると話は別だ。多くの人々が過度にストレスを受けているとしたら、現代日本は異常な時代なのである。