小径を行く

時代の移ろいを見つめた事柄をエッセイ風に書き続けております。現代社会について考えるきっかけになれば幸いです。筆者・石井克則(ブログ名・遊歩)

30 hanaのつぶやき ある迷犬ゴールデン

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 急に寒くなりましたね。でも、この程度ではどうっていうことはありません。私はどちらかというと、寒い方がいいのです。 それにしてもこの夏は暑かったなあ。初めての土地で、初めての家に住みましたので、いままでと比べますと、本当に暑さを感じたのです。

 いまの家は室内に私を置いてくれます。私は外だって、家の中だって、どちらでもいいのですが、夏の間、暑い日が続きますと、やはり家の中でエアコンの涼しさに浸っていた方がいいに決まっています。 エアコンの涼しい中で、昼寝するのは極楽です。こんな最高の気分を多くの仲間は味わうことができず、猛暑の外でふらふらになっていることを思うと、同情心がわきました。

 いまは涼しくなってみんないい気持ちで毎日を送っていることでしょう。 それにしても、この家の人たちは規則正しい生活を送っていると思います。朝はみんな一緒に食事をして、2人のお姉ちゃんが仕事に出た後は、「お父」(おとう)がいつも私と一緒に散歩をするのです。

「お父」は歩くのが好きらしく、私が道草をすると怒り出します。約1時間をかけて、遊歩道を散歩するのが日課なのですが、時々、散歩の人と出うと、最近の「お父」は、私と一緒のせいか、愛想よく「おはようございます」という挨拶をします。 「ママ」に聞きますと、以前は人と会っても知らぬ顔で一生懸命に歩いていたようです。散歩というより、まるで歩くのが仕事みたいな顔をしていたようです。

 変われば変わるものだと思います。いまでは、「お父」は、私とともに、この辺ではけっこう有名人になっています。それはそうでしょう。朝夕、いつもほとんど決まった時間に歩いているのですから。 これから寒くなっても、「お父」と私の散歩は続きます。この時間は私にとっても、至福のときなのです。でも、ときには、道草をしたいなあと思います。「ママ」にだれか伝えてくれないかなあ。そうすれば「お父」はきっと、私のわがままを少しは認めてくれるはずです。

 散歩のとき、「お父」もおねえちゃんたちも、私の排泄物を持ち帰ってくれます。でも、ときどき、道端で汚物を見ることがあり、「お父」は、「マナーがなっていない」と怒ります。 そういえば、公園や遊歩道のベンチにペットボトルが捨ててあるのをよく見かけます。ゴミをそんなところに平気で捨てて行く人はたぶん、いい加減な生活を送っているのでしょう。私はそんな人間とは付き合いたくはないと思うのです。