動物
私がhanaの骨を庭の一隅に埋めてやろうと思った理由は、家族の「近くに置きたい」という言葉だけではない。このブログにリンクしている「消えがてのうた part2」のaostaさんの「ボンボンがいた日々」(2012年8月31日)という、絶唱ともいえ…
hanaは2002年7月1日の生まれで、この夏11歳になった。それから30日間でこの世を去ったが、毎年祝った誕生日のことが忘れることができない。それはユーモラスであり、hanaにとっては、ごちそうにありつける記念日でもあったはずだ。その誕…
人間と飼い犬の強い結びつきは、「忠犬ハチ公」の話でよく知られている。飼い主が愛情をかければ、犬にもそれがよく伝わるということなのだろう。以前、読んだモンゴメリーの『アンの娘リラ』(新潮文庫・村岡花子訳)という小説の中にもそれを示すエピソー…
hanaが肝臓がんと診断されたとき、家族全員が間違いであってほしいと願った。しばらくすれば元気を取り戻してくれるのではないか、hanaの散歩の際に度々出会った先輩犬のラブラドールレトリーバーのように、「奇跡」が起こるのではないかと思ったの…
hanaは、犬族の一員として旺盛な食欲を誇っていた。元気なころは朝夕の餌だけでは足りないのか、私たち家族が食べている人間食まで欲しがった。動物病院の獣医さんに言わせると、犬にはドッグフード以外は不要ということだが、よだれを流さんばかりのh…
2011年3月11日の東日本大震災は私の「個人史」の中で特筆すべき事象であり、同じ思いの人たちは少なくないはずだ。11年という短い生涯だったhanaにとっても、衝撃的な大地震だったに違いない。当時我が家で産後の静養中の長女が留守番をしてい…
hanaの闘病と死に対し友人からメールやこのブログへのコメントの形で多くのメッセージが寄せられた。3回目で書いた「シリウスへの旅立ち」も友人からのメッセージを基にしたものだ。心のこもった便りの数々は、hanaにも伝わったに違いない。 今回は…
このブログでは、時々「hanaのつぶやき」と題して、hanaにまつわる話を登場させてきた。犬にどこまで思考能力があるかどうか議論が分かれるかもしれないが、私は「ある」と確信している。そしてhanaならこんな時こんなふうに思うだろうと想像し…
hanaは小さいころからわが家にしばしば遊びにやってきていたので、3歳過ぎてからわが家に移り住んでもすぐに慣れてしまった。当時、わが家は私と妻、2人の娘の4人暮らしで、hanaは3番目の娘、すなわち末っ子のような存在になった。外で飼うこと…
ゴールデンレトリーバーは、「金髪の回収犬」という意味があるそうだ。ハンターが撃ち落としたキジなどの獲物をくわえて、主人のもとへ運ぶ役割を担っていたのだ。それが物を拾うことが好きという習性となり、投げられたボールや棒を取ってくる遊びが大好き…
hanaが旅立ってから、朝の散歩はしていない。その代わりに始めたのがラジオ体操だ。自宅から約200メートル離れた遊歩道の一角に大きな円形の花壇があり、その周囲が広場になっている。ここで近所の人たちが毎朝6時半からNHKの放送に合わせてラジ…
このブログを書いている私の部屋では、CDから静かな曲が流れている。ヨーゼフ・ハイドンの交響曲44番≪悲しみ≫(哀悼)だ。ハイドン自身が気に入っていた曲で、葬式には演奏してほしいと希望し、1809年にベルリンで行われた追悼際では第3楽章・アダ…
きょう8月5日は、hanaの初七日だ。犬に対しこんな言葉を使うことが適切かどうか分からないが、これまで居間に置いた遺骨と写真を床の間に移した。いずれ土に還す予定だ。夕方、hanaとの散歩コースだった調整池の周囲を一人で歩いた。 日中の猛暑が…
「地球から見える最も光っている一等星シリウス。冬に見える『おおいぬ座』群のリーダー役です。オリオンの近くにあるので簡単に見つけることができます。ハナちゃんはここに帰ったのでしょう」。 こんなメッセージが、友人の一人から寄せられた。私は友人の…
動物病院で肝臓に腫瘍が見つかった翌日から、エサは医師の指示で少量ずつを4、5回に分けて食べさせ始めた。しかしドッグフードをエサ用の容器からでは食べようとせず、私たち家族の掌に乗せると、少しだが食べてくれた。散歩にも出る気力はあるが、足元が…
このブログを始めたのは2006年9月のことだった。スタートに当たって、ブログ名を「小径を行く」に決め、紹介文を次のように書いた。「ゴールデンレトリーバー『hana』との散歩を日課にしています。大雨を調整するための人工池の周囲やけやき並木の…
「3歳までは幼犬、6歳までは良犬、9歳までは老犬、10歳からは神様の贈り物」。スイスでは大型犬に関して、こんな言葉があるという。特にこの国が生まれ故郷であるバーニーズ・マウンテン・ドッグは短命であり、文字通り10歳過ぎると、この犬は急速に…
朝のテレビを見ていたら、16歳3カ月のゴールデンレトリーバーが出ていた。東京・渋谷の蕎麦屋の看板犬で、街の人に愛されているという。人間なら100歳を超える「おばあちゃんわんこ」と、ナレーションのアナウンサーが紹介していたが、なかなかいい表…
昨年暮れに、子宮蓄膿症という病気で子宮摘出の手術を受けた話の続きです。手術を受けたのは12月28日ですから、きょうで19日になりました。きょう、私は10日ぶりに動物病院に行き、血液検査と手術跡の抜糸を受けました。肝臓の調子がおかしかったの…
私はゴールデンレトリーバーの雌で、10歳5ヵ月になりました。このところ体の調子が悪い日が続き、歩くときには足を引きずり、食欲も極端になくなりました。私の変調を心配したお父さんとママ(私の家族はなぜかこんな呼び方をしています)が動物病院に連…
お父さんが家族に一枚の絵を見せて「どう、hanaに似てるだろう」と、自慢していました。それが、この絵です。あれ!どこかで見た写真にそっくりだと思いませんか。そうです。この16日のブログに載せてある私をモデルにした絵だそうです。 きょう、お父…
きょうは、12月にしては久しぶりに暖かい一日でした。居間の窓際で昼寝をしていると、やわらかい日差しが私の体を包んでくれるようで、気持ちのいい時間を送ることができました。私の横のソファーでは、この冬2回目の風邪をひいたというお父さんがごろご…
「一芸に秀でる者は多芸に通ずということわざがある。ある分野を極めた人は他の分野でも優れた才能を発揮することができるという意味だよ」。 旅行先から、大きな荷物を持って帰ってきたお父さんが、その荷物をほどきながら、こんなことを言っていました。ひ…
昨年8月以降、私のつぶやきがこのブログに出ていないので、どうしたのかという問い合わせが相次いでいる(?)そうです。大丈夫ですよ、元気ですから。顔の毛は白い色が増え、若い時のように、道を歩いていて「かわいい」と声をかけられることは少なくなり…
昨日の夕方、いつもの調整池の周囲の遊歩道を飼い犬のhanaとともに歩いていると、上空が急に黒い雲に覆われ、雨のしずくが少しずつ落ちてきた。大したことはないと歩き続けると、西の空に1回だけ稲妻が走って、ゴロゴロという雷鳴がした。雷が大嫌いなhana…
私は、この夏で9歳になったゴールデンリトリーバーの雌のhanaです。もう9回の夏を過ごしてしまいました。それにしてもことしはいろいろなことがありました。楽しいこと、つらいこと、悲しいことが重なりました。長い間一緒にいて、あんなにつらそうな…
この間の日曜日に、家族と一緒に近所の遊歩道を散歩しました。桜が満開で私(ゴールデンレトリーバー)とちびちゃん(ミニチュアダックスフンド)は大満足ではしゃいで歩きました。でも、家族もあまり元気がないし、道を歩く人たちも様子が変なのです。ふだ…
東日本大震災では死者・不明者が2万7500人以上になることは確実だ。被災地が広範囲に及ぶので、動物たちも甚大な数、津波にのまれただろうと推定する。 人と違って、その数は全く予想ができない。そんな中で4月1日に気仙沼市沖で漂流していた犬(中型…
人間の世界では「想像妊娠」という言葉がある。実際には妊娠していないのに、妊娠したのと同じような兆候が現れる現象だ。それが犬の場合にも発生することがあることを、わが家の飼い犬のゴールデンレトリーバーのhanaが証明した。 8歳半の老犬の範疇に…
寒い日が続きますが、みなさんこの寒さに負けず、頑張っていることでしょうね。私はお陰さまで体調は絶好調です。あの夏の暑さに比べたら、いまの季節は極楽ですね。ストーブで暖められた部屋は暑いくらいで、つい廊下に出てしまいます。 実は最近、悲しいこ…