小径を行く

時代の移ろいを見つめた事柄をエッセイ風に書き続けております。現代社会について考えるきっかけになれば幸いです。筆者・石井克則(ブログ名・遊歩)

1063 絵のモデルになりました2 歳末のhanaのつぶやき

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お父さんが家族に一枚の絵を見せて「どう、hanaに似てるだろう」と、自慢していました。それが、この絵です。あれ!どこかで見た写真にそっくりだと思いませんか。そうです。この16日のブログに載せてある私をモデルにした絵だそうです。 きょう、お父さんは銀座3丁目で開かれている「いのちをみつける犬」という写真展を見に行きました。その会場には、筑波大学の芸術専門群3年生で日本画を専攻している本橋夏子さんが「愛犬の似顔絵」描きのボランティアとして詰めていたそうです。絵のうまさに感動したお父さんは、私が写ったブログの写真を見せ、この絵を描いてもらったそうです。 この写真展は、名前の通り、災害の現場に出てがれきの中などに閉じ込められた人たちを探す活動をする「救助犬」を取り上げたものです。救助犬を訓練しているNPO救助犬訓練士協会という団体が、救助犬の存在をもっと世の中に知ってもらおうという目的で開いたのだとお父さんは家族に説明していました。 写真展には昨年の東日本大震災の現場をはじめ、いろいろな災害現場で活躍する私の仲間の姿があったそうです。震災の時には訓練士協会の人たちは直後に宮城県に入り、自衛隊と一緒に生存者の捜索活動をしました。亘理町の荒浜では住宅の2階に取り残されて助けを待っていた80歳代の老夫婦を見つけて救助しましたが、そのあとは生存者を発見することはできなかったようです。 「早く現場に行かなければ、生きている人を探すのは大変なんだ。時間との勝負なんだよ」というのがお父さんの解説です。 被災地に入った私の仲間たちはへとへとに疲れ切ったそうです。「大変な現場だもの、犬だって命がけなんだよ」とお父さんは解説してくれました。そういえば、韓国からきた救助犬は捜索現場で足に大けがをして、訓練士協会のメンバーのお医者さんが手当てをしたというエピソードもあったそうです。 お父さんは、救助犬についてこんなことも家族に話していました。 《救助犬は、災害の現場に出て行方不明になった人を探すのが役割だ。だから、生きた人を探すという前提で訓練をしている。被災地では多くの行方不明の人が残っているが、生存者以外に救助犬は反応しないので、災害から時間が経ってしまうと残念ながら役目を果たすことはできなくなる。だから、一刻も早い出動が必要なのだ。外国では災害救助犬に対して理解を示している国もあるが、日本は立ち遅れている。国として救助犬の基準もないのが現状だそうだ》 ところで、本橋さんに描いてもらった絵は、私が見てもかわいくて、若々しい雰囲気がありますね。私は10歳なのですが、できればこの絵のように若返りたいと思います。ママは「目をとてもきれいに描いてもらったわ」と喜んでいました。本橋さんありがとう。 ことしも残すところあと5日です。そんな暮れの夜、お父さんは安倍内閣誕生のニュースにずうっと見入っていました。そして、お父さんは「日本はいい方向へ変わることができるのかなあ」とつぶやいていました。