小径を行く

時代の移ろいを見つめた事柄をエッセイ風に書き続けております。現代社会について考えるきっかけになれば幸いです。筆者・石井克則(ブログ名・遊歩)

1059 銃所持と核兵器保有は類似の論理 瀬戸際を歩く人類

画像
米国が銃社会であることをクローズアップさせた悲劇が続いている。14日にはコネティカット州ニュータウンの小学校で銃乱射事件が起き、児童20人を含む26人が命を失った。犯罪に対する自己防衛、あるいは抑止力として3億人が銃を所持(07年調査の推計値では100人当たり88・8丁)しているそうだ。その論理は、なにやら核兵器を保持する大国の主張(核は平和への抑止力)にも類似するように思える。 名古屋市からルイジアナ州バトンルージュ市の高校に留学していた服部剛丈(はっとりよしひろ・16歳)君がハロウィンパーティの際、間違えて訪問した家の家人に射殺されたのは1982年10月17日のことだった。あれから30年も過ぎた。 この間ブレイディ法(1994年から施行)という「販売の5日間の猶予と販売店の購入希望者の犯歴調査義務付ける内容」の法律が10年の時限立法として成立したが、2004年にブッシュ共和党政権時代に更新されずにせずに失効している。銃規制に反対する全米ライフル協会を中心にした圧力団体と政権とのせめぎ合いが続く中で、33人が犠牲になったバージニア工科大学銃乱射事件(2007年4月)が発生、その後で購入希望者の犯罪歴や精神病歴を厳しくチェックするブレイディ法とよく似た法律が成立したが、銃の乱射事件は後を絶たないのが現実だ。 新聞には「米国では歴史的に自分の権利や所有物は自分で守るという考え方があり、それはくつがえらない」という、市民の言葉が紹介されている。「自己責任」や「自己防衛」という考え方である。「自己責任は」小泉改革日本にも導入され、日本を格差社会へと導く呼び水にもなった。 テレビでは、涙を流しながら「意味ある行動を」と訴える声明を読み上げるオバマ大統領の姿が放映されていた。しかし、オバマ政権はこれまで銃規制に積極的姿勢は取らず、新しい政策も打ち出していない。全米ライフル協会の圧力の強さが背景にあることは間違いにない。これが米国の銃社会の現実であり、再発防止は困難で、悲劇は繰り返される恐れが強い。 銃の所持を自己防衛とする考え方は、核保有は国家間の戦争の抑止につながるという米国やソ連をはじめとする核兵器を持つ国々の論理と似ている。どちらも、いまの世界では消滅することはないだろう。とすると、人類は常に瀬戸際を歩いているといっていい。それを米国の国民は意識しているのだろうか。 写真 石垣島の夜明け すがすがしい朝を迎えたい
銃声なき朝米戦争核とミサイルと人工衛星 / 全哲男【中古】afb【10P22Nov12】
ブックセンターいとう
商品状態:初版第1刷。背表紙ヤケあり  ※併売の為、売り切れの際はキャンセルとなる場合があります。コ

楽天市場 by 銃声なき朝米戦争核とミサイルと人工衛星 / 全哲男【中古】afb【10P22Nov12】 の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル