小径を行く

時代の移ろいを見つめた事柄をエッセイ風に書き続けております。現代社会について考えるきっかけになれば幸いです。筆者・石井克則(ブログ名・遊歩)

773 琵琶湖一周の旅の途中に 雪に埋まったカタカナの町へ

画像 昨年の夏に続き、琵琶湖を見た。今回はこの日本最大の湖を一周する形で列車に乗り、北側の周辺地域が大雪に埋まっているのを体験した。1月の北海道で雪には慣れているが、列車の窓外に広がる雪原には驚いた。 この冬は日本海側で豪雪に見舞われているのだから、その余波といっていいようだ。かつて日本で2つしかなかったカタカナの名前の「マキノ町」(現在は高島市マキノ町)が旅の目的地だった。 関口知宏が全国のJR列車を乗り継いで旅をするというNHKの番組があった。琵琶湖をぐるりと回るJR西日本の鉄道をどのように乗り継いだかは分からないが、仕事が目的の私の旅は新幹線で到着した京都を起点に琵琶湖の周囲を周り、再び京都に戻るという行程だった。まず向かったのは、滋賀県大津市JR東海道線(JR西日本琵琶湖線といい、京都駅にもそう書いてあり、東海道線の表記はない)であっという間に着いた。この後、同じ路線で彦根に行く。琵琶湖線彦根から米原(岐阜県)へと向かい、ここで北陸本線に乗り換え近江塩津に。さらに湖西線に乗り換えるとカタカナの町、マキノの玄関口JRマキノ駅に着いた。 マキノ町は合併して現在は高島市マキノ町になっているが、名前の由来は同じ名前のスキー場にちなんでつけたそうだ。かつてはカタカナの町はマキノ町滋賀県高島郡)と北海道 虻田郡ニセコ町の2つだけだった。市を入れても長野県 南アルプス市沖縄県コザ市(現在は沖縄市)の4つのみだったが、さらに合併が進み、残ったのはニセコ町南アルプス市だけになった。 マキノは北湖といわれる琵琶湖の北側沿岸部に位置する風光明美の町だ。しかし現在の地方の姿を代表するように過疎化、高齢化が急速に進行し、町の中で人影は少ない。道路わきには雪がうず高く積まれている。つい最近、大雪が降ったのだという。 この町で「人生3分割論」を実践する人に会った。生まれてから学校を卒業するまで、就職してから定年まで、定年後の余生―。人生をこんな感じで3つに分ける。多くの人がこんなパターンで生きている。 この町でNPOを立ち上げ、ホームレスだった人たちと琵琶湖特産の淡水魚・ホンモロコの養殖を手掛けている高橋英夫さんだ。高橋さんは人生の最後の3分の1を「やりたいことをやっている」と語っている。彼の歩んできた人生はどんなものだったのかは、次回以降に書きたいと思う。(マキノ駅に戻り湖西線で京都まで1時間10分弱で琵琶湖一周の旅は終わった)