小径を行く

時代の移ろいを見つめた事柄をエッセイ風に書き続けております。現代社会について考えるきっかけになれば幸いです。筆者・石井克則(ブログ名・遊歩)

605 私が利用した26の空港  明日開港の茨城空港は?

国内に98もの空港があることを知っている人はそう多くないはずだ。もちろん私もこんなにあるとは思わなかった。

しかも、鹿児島県の枕崎空港(ここにこんな空港があったとは・・・)など5つは利用実績がゼロというから、驚いた。旅が好きなので、新聞に載った98の空港のうちいくつを利用したかを調べてみた。

その結果、あらゆる記憶をたどると3分の1に満たない26の空港であることを確認した。この数字が多いのかどうかは分からないが、普通の人よりはたぶん多いはずだ。でも残りの72はこれからも使う確率は低い。それにしても、よく作ったものだと思う。

私が利用したのはほとんどが国際空港か県庁所在地にある空港だ。もちろん、それ以外の空港もあるが、国内線の需要予測の達成率の低い順に書くと宮崎、中標津、花巻、鳥取、成田、高知、釧路、高松、松山、函館、青森、秋田、福岡、大分、広島、鹿児島、仙台、新千歳、羽田、旭川那覇、長崎、熊本、徳島で、達成率が不明な山形、伊丹を入れて26空港を数十年かけて使った。

大きな空港では関西空港中部国際空港は使っていない。この2つを含め、その他の空港はこれからも使うことは考えていない。(新聞によると、98のうち建設時期が古く、当時の需要予測が明確でない空港や実績がない空港を除く69空港のうち9割の61空港は実績が需要予測を下回ったという)

経済の高度成長時代に次々に建設された地方空港は、その右肩上がりの成長に沿った需要予測がつくられた。しかし、バブル崩壊以後の日本経済は低迷し、しかも新幹線の整備、高速道路網の発達もあって国内線の利用者は減り続けた。

そんな中でも静岡に、さらに茨城にまで空港が建設された。98港目の空港として11日に開港する茨城空港は何と、確定している定期便はスカイマークの神戸便と韓国・アシアナ航空のソウル便の2路線のみだけという。当初から採算が取れるのは困難といわれており、多くの人が「なぜここに空港を」と思うだろう。裏でうごめいた影があるに違いない。

飛行機が嫌いだという友人がいる。国内の遠隔地への出張でも絶対に飛行機は使わず、新幹線や特急を利用する。海外へは決して行かない。その友人は、仕方なく緊急で1、2の空港は利用したが、それ以外は絶対にいやだと拒否している。彼から見たら、26もの空港を使った私は「尊敬」に値するのかもしれない。

それは別にして、こんな狭い国土に98もの空港を作った役人や政治家は、将来を見通す目がなかったと、言われても反論はできまい。