小径を行く

時代の移ろいを見つめた事柄をエッセイ風に書き続けております。現代社会について考えるきっかけになれば幸いです。筆者・石井克則(ブログ名・遊歩)

511 緊急事態! 9月のはなのつぶやき

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9月になりましたね。このところ涼しい日が続いて、暑がり屋の私も少し元気を回復しました。でも、きのうは私にとって、大変なことがありました。 何でも食べてしまう癖が原因なのですが、飼い主には心配をかけてしまいました。実は、朝ママから果物のナシをおすそ分けをしてもらっているうち、ナシについていた爪楊枝ごと飲みこんでしまったのです。 その後、私は特に気にはなりませんでしたが、ママと家族が心配して、近所の動物病院のおじいちゃん先生のところに私を連れて行きました。おじいちゃん先生は、難しい顔をして「うちでは設備がないので、どうしようもない」と言いながら、心配なら設備の整った病院があるのでそこへ行きなさいと紹介してくれました。 その動物病院は車で1時間以上離れた場所にあります。家族の車に乗って、病院に向かいました。気分は悪くないし、大好きなドライブができるのでうれしくてたまりませんでした。病院は国道沿いにあり、新しい建物でした。人間の病院といっていいほど立派な建物です。おじいちゃん先生の紹介があったので、大きな病院の先生はあまり待たせることなく診察してくれました。 病院の中は2つの診察室や手術室、ICUがあり、すべてガラス張りで病院にきた人たちには、どんな治療がされているか分かるようになっています。私はママ達と診察室に入り、先生に事情を話しました。すると、先生は「爪楊枝といって、軽く見てはだめです。内臓のどこかに刺さったままだと大変です」と話し、除去するには2つの方法があると説明しました。 1つは、吐き気を催す薬を使って、食べたものと一緒に吐かせること。それがだめなら内視鏡を使って、爪楊枝がある部分を調べ、メスで開腹して取り出すというのです。その説明を聞きながら、ママたちは心配になったのか泣いていました。私は2人がなぜ泣いているのか不思議でした。 1つ目の方法が試されました。私は右足に注射をされました。「キャーン」と泣いてしまいました。こんな痛い目に遭ったのは初めてだったからです。注射が終わって診察室から出て待合室で待っていると、5分くらいして急に吐き気が催してきました。そのままそこで吐いているのを、診察室から先生と獣看護士さんが見ています。吐き終えると獣看護士さんがやってきて、吐いたものを調べていて「爪楊枝がありましたよ」と叫びました。その声を聞いて、ママたちはまた泣いていました。 心配だったのでしょう。でも、おじいちゃん先生と大きな病院の先生のお陰で、問題は解決しました。すごい連携だと思います。大きな病院の先生は、病院の中にある仮の宿泊施設に寝泊まりして、夜の緊急医療もやってくれているそうです。そんな先生を頼って、結構遠くから時間をかけてやってくる飼い主もいるらしいですから、信頼されているのでしょう。 この騒ぎを家族から聞いたお父さんは、私の頭を撫でながら「hanaはくいしんぼうだからなあ」と笑っていました。爪楊枝くらいで死ぬわけはないと思いますが、家族に心配をかけたのは失敗でした。食べることが一番好きな私ですが、何でも口にすることは反省ですね。でも、やめるのはむずかしいなあ。(写真は、私が吐き出した爪楊枝)