小径を行く

時代の移ろいを見つめた事柄をエッセイ風に書き続けております。現代社会について考えるきっかけになれば幸いです。筆者・石井克則(ブログ名・遊歩)

204 ことしの漢字は「忙」 周囲は暗い1年

先日、日本漢字能力検定協会がことしの世相を表す漢字を「偽」と発表した。全国から公募した結果、圧倒的多数で1位になったそうだ。背景には食品偽装、政界の不正など日本社会の確信犯的な不正行為があり、ことしはこのマイナスイメージの漢字がぴったり当てはまる1年だったといえる。では、私個人はどうかといえば「忙」の年だった。

周囲に聞くと、漢字検定協会の漢字ベストテンで16位に入った「幸」のほか、「豊」と答えてくれた友人がいた。このようなプラスイメージを持った人は少ないようで「黙」「忍」「惨」というあまりうれしくない漢字を挙げる友人もいる。

1年のうち120日を海外に行っている友人は「飛」だと言い切ったが、これは妥当なところか。それにしても大変な仕事だと、同情するが、友人はけっこう楽しんでいるようなのでまあいいか。

私が「忙」としたのは、今年は4月から「2足のわらじ」を履いたからでスケジュール調整がけっこう面倒だった。旅行も多く、北海道から沖縄まで主要都市に行った。2足目のわらじのために、エクセルにも挑戦した。

一方、一字では表せずに、占いの「大殺界」(何を始めるにも何をやるにもよくないという運気の流れ)だと嘆く友人も存在する。

この友人は4月から社会人になって、試行錯誤の毎日を送っているが、私生活でよくないことがあったようだ。

ことしの干支は「亥」(イノシシ)だった。大きな事件や災害が多いといわれ、過去には阪神大震災やオウム地下鉄サリン事件があった。ことしは大災害こそないが、日本社会の病は進行してしまった印象だ。政界も経済界も含めて日本はどんどんおかしな社会に進んでいるように思うのだ。

来年の干支は「子」(ネズミ)で、12支の1番に数えられ、新しい生命が種子の中に宿り始める状態を表しているのだそうだ。プラスイメージの1年になってほしいものである。