小径を行く

時代の移ろいを見つめた事柄をエッセイ風に書き続けております。現代社会について考えるきっかけになれば幸いです。筆者・石井克則(ブログ名・遊歩)

37 秋の色

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けさ(6日)は、かなり濃い霧が立ち込めていた。散歩をしていても、周りの景色がよく見えないほどだった。 次第に霧は晴れ、天気予報は曇りのはずだが、陽も差して来た。毎日見ているけやき並木も次第に色づいて、秋の深まりを感じる。 けやきは公害に強い樹木といわれ、道路沿いに多く植えられている。近所の車の交通量の多い道路わきにも、けやきがあるが、遊歩道のものに比べると、色づきも落葉も早い。排気ガスの影響なのだろう。 けやきといえば、内海隆一郎の小説「欅通りの人びと」を思い出した。池袋から私鉄で30分足らずの郊外の北口の外れにできた新しい通りが「欅通り」であり、そこに住む人々の物語だ。 ほのぼのと、心温まる小説だったと記憶している。秋の夜長に読みたい1冊である。
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ことしは、これまでほとんど実をつけなかった「柚子」がかなりの実をつけ、最近急に黄色く色づいてきた。秋の気配を柚子の実も感じているのだろうか。 柚子は、植えてから実をつけるまで、長い時間を要するそうだ。「桃栗3年、柿8年、柚子の大馬鹿18年」という言い伝えもあり、20年がたってもだめな場合があるという。 この柚子も既に17、8年がたっている。7、8年前に一度だけかなりの実をつけたが、あとは2、3個くらいしかならない。そこで、昨年冬、幹の一部をナイフで削ってみた。 そうすると、実をつける場合があると聞いたからだ。その通りに、ことしはかなり頑張って実をつけた。「ショック療法」というわけではあるまいが、この冬は「柚子風呂」が楽しめそうである。