小径を行く

時代の移ろいを見つめた事柄をエッセイ風に書き続けております。現代社会について考えるきっかけになれば幸いです。筆者・石井克則(ブログ名・遊歩)

671 もう8歳です 7月のhanaのつぶやき

画像 蒸し暑い日が続きますね。毛皮を着た状態の私には息苦しくてつらい毎日です。先日も夜中に苦しくなり、家族を起こしてしまいました。この7月1日が私の8歳の誕生日でした。家族は、ケーキの形をした豆腐に8本のロウソクを立ててお祝いをしてくれましたが、お父さんは「もうhanaもおばさんなんだな」と言って、笑っていました。

 そうなのです。そんなトシに私もなったのでした。 家族が話をしているのを聞いていましたら、私たち犬族は人間よりかなり速く年をとるのだそうです。一般的には1ヵ月の犬は1歳の人間の赤ちゃんに相当し、1歳の犬は人間なら17歳、5歳で36歳、8歳では48歳に当たるといわれています。

 それは小型犬の場合で、私のように大型犬ではもっと年の取り方が速く、5歳で人間の40歳、8歳だと61歳相当という説もあるようです。 その説が正しければ、私は還暦を過ぎた犬ということになります。でも、先日お父さんと散歩をしていたら、近所のおばさんから「あら若い犬ですね」といわれました。

 外見が若づくりらしい(私は普通だと思うのですが、家族はそう思い込んでいるようです)ので、そう見えたのだと思いますが、お父さんはうれしそうで、家に帰ると早速、そのことを家族に報告していました。 自慢するわけではありませんが、8年も生きていると、私も何となく人間の言葉が分かるようになってきました。言葉だけでなく、物を見ただけで家族が何をするかも理解できます。

 私は車に乗るのが大好きです。ですから、お父さんや家族のだれかが車のキーを持ったら、体がむずむずしてきます。お父さんが引き出しの中から、運転免許証が入った定期ケースを出しただけで、車に乗せてくれるのかとうれしくなって、尻尾を振ってお父さんにまとわりつきます。 最近、家族は車に乗せてくれる時には「さあ」という言葉を言うようになりました。寝ていても私はこの言葉を聞くとむっくりと起き上がりますし、家の中をぐるぐる回ったりします。

 こんな私の姿が面白くて、家族は「さあ、さあ」「車、車」を連発するのです。画像 私たち犬族は耳もよく聞こえるようです。夜になって、台所でお母さんが炊飯器を洗っている音がすると、どんなに眠くても2階から降りて台所の近くまで行きます。音で分かるのですが、私の姿を見てお母さんは、炊飯器に残っていたご飯を必ず「夜食」としてくれるのです。

 私には小さな親類がいます。ミニチュアダックスフンドの「ノンちゃん」です。正しくは「ノア」という名前なのですが、家族は時々遊びにくるノアのことを「ノンちゃん」と勝手に呼んでいます。そういえば、私のことも最近「ハーちゃん」とか「ハー君」と適当な呼び方をします。ノンちゃんは、結婚したお姉さんの家で飼われていますが、時々遊びに来てくれます。お互い最初は慣れませんでしたが、かわいい妹のように思えてきて、いつきてくれるか最近は待ち遠しいくらいです。画像   

 私は時々、動物病院に行きます。そこには「おじいちゃん先生」がいます。ちょうど1年前、この先生が「この子にとっては、飼い主さんの愛情が一番のごちそうなのです」と言ってくれたことを思い出しました。素晴らしい先生だと思います。家族に連れられて健診に行くのですが、相変わらず難しい顔をしています。それが信頼される秘訣なのかもしれません。 先生に言われるまでもなく、家族は私を大事にしてくれています。ですから、暑くて大変な毎日でも、幸せだなと思うこのごろなのです。