詩
人間だれしも老いることは避けられない。それを精神力でカバーする場合もあるが、スポーツ仙選手の場合、肉体の衰えは致命的だ。プロ野球で大投手の目安といわれる200勝まであと2勝に迫っている36歳の田中将大投手(巨人)の最近の投球を見て、彼も選…
朝、散歩をしていると、「チョットコイ、チョットコイ」と鳥の鳴き声がする。4月はウグイスとともに、この鳴き声がよく聞こえた。コジュケイという野鳥だ。今日から5月。今度は「トッキョキョカキョク」という鳴き声の野鳥の出番になってくる。ホトトギス…
長田弘(1939~2015)の「ベルリンの本のない図書館」という詩は、ナチス時代のドイツのベルリンで起きた歴史的な焚書(ふんしょ)事件の現地を描いたものだ。ナチスを率いたヒトラーが自決したのは80年前の4月30日で、今日は「図書館の日」だそうだ。…
桜と霧とビル 四月なのに手袋をする寒い朝歩いて数分の憩いの場所調整池に面して桜が咲いている辺りは霧が立ち込めている陽光に映える桜はすがすがしい見上げる私の顔に一枚の花びら 出がけに読んだ新聞米トランプ政権が相互関税発表の記事一面から社説まで…
静かな春の日です池の周りを歩いていました後ろの森からウグイスの初音が聞えてきました小さな鳴き声ですいつもの年より遅いと遠慮しているのでしょうか⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄ 耳を澄ませましたもう少し大きな声でと注文してみましたもう一度小さな声その後…
6日は「啓蟄」(けいちつ=陽気に誘われ土の中の虫が動き出すころのこと)だ。寒い日が続くが、春はすぐそこまで来ている。平和な春を描いた短い詩といえば、イギリスの詩人 ロバート・ブラウニング (1812~1889)の『春の朝(あした)』(上田敏訳)がよ…
早朝配達された新聞を読む昨日のトランプとゼレンスキーの口論がトップ記事1面2面国際面社説に関連記事多くがトランプとバンスを批判している世界は確実におかしくなっている指導者といわれる人物が商売人たち暗い気持ちで散歩に出る調整池から霧が立って…
2月も明日一日になりました昨年はとうに満開になっていた高台の河津桜は数輪の花が開いた程度です一方で近所のミモザは鮮やかな黄色い花を見せ始めています調整池からは朝霧が立っています霧が消えると眩しいほどの陽光が水面を照らし光の春を演出している…
一枚の写真を見ています ある日の夕焼けの風景です この写真の風景をどう感じますか 悲しくなるほど美しい…… ここは何処でしょうか……⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄故郷を想い 海外を想い 歩んできた道を想い 友や家族を想うかもしれません⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄8…
通信社時代の元同僚から、有料老人ホームに入居したという連絡がきた。体調が芳しくなかったので、以前から施設を探していたそうだ。こうした施設には様々な人が入っているはず。彼はどんな付き合いをするのだろうと思う。これからの生活については想像する…
三好達治の詩「冬のもてこし」(詩集『駱駝の瘤にまたがって』創元社より)は、詩人としての発想の豊かさを感じさせる内容だ。タイトルだけでなく詩の中にも何度か使われる「もてこし」は、「運んできた」や「持ってきた」という意味のようだ。今日は立春。…
まことに、木々の葉の世のさまこそ、人間の姿と変わらぬ、 木々の葉を時に、風が来って地に散り敷くが、他力ではまた 森の木々は繁り栄えて葉を生じ、春の季節が循って来る。 それと同じく人の世系(よすじ)も、かつは生い出で、かつはまた滅んでゆくもの。…
「凶悪事件の再発を防ぐのに一番効果があるのは、犯人を早く逮捕することだ」。若い頃事件記者をやっていた時代、取材した捜査幹部はみんなこう語っていた。それは今の時代も変わりはない。闇バイトという裏の社会に引きずり込まれた若者を中心とした強盗事…
「僕は三文詩人に」という詩を書いたのは立原道造(1914~1939)だ。「三文小説」「三文芝居」「三文文士」「三文判」など、低級で値打ちがないこと意味する「三文」を自分の詩作に当てはめ「三文詩人」という表現を思いついたのだろう。ただ、道造の詩は短…
2階の部屋の窓の外 けやきの街路樹が見える四季折々の「色」に変化する大きな木々暦の上では初冬 現実の自然は晩秋 けやきの葉が黄や赤に色づき 陽光に輝き出した朝その下を小学生たちが 三々五々歩いている ⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄ 春 芽吹きの時夏 すっか…
『郵便局の窓口で』という詩や散文詩『郵便局』を書いたのは、萩原朔太郎だ。かつての郵便局は詩のテーマになるほど人々にとって大事な存在だった。だが、メールが発達した現在、郵便局は苦境に立たされている。郵便料金もこの秋(10月1日)から大幅値上…
朝が嫌いな人はいるだろうか。若い人は、なかなか目が覚めず、冬は寒い中を起きるのは辛い。とはいえ、新しい朝を迎える気持ちは、清々しい。だから、詩人も朝をテーマに詩を書いている。二十四節気の「白露」は昨7日だった。草や木に白い露がつくようにな…
世界でさまざまな花が咲いている。花を愛でる気持ちがあれば、争いは起きないはずだ。そんな思いで、散歩中に路傍の花を見ることが多い。詩人で童話作家、翻訳家の岸田衿子(1929~2011)の詩「花のかず」は人と花とのつながりを短い言葉で表している。多く…
日本には二十四の節気と七十二候という旧暦がある。季節の移ろいを表す際、これがよく使われる。昨5月20日は、二十四節気のうちの「小満」だった。歳時記には「いのちがしだいに満ち満ちていくころ」とあり、さらに「草木も花々も、鳥も虫も獣も人も、日…
(美しく咲いた桐の花) 夭折した詩人、立原道造(1914~1939)の『夢見たものは……』という詩を好きな人は少なくないだろう。現代の日常生活と重ね合わせ、こんなささやかな幸せを求めたいと私も思う。だが先日、民間の有識者グループ「人口戦略会議」が発表…
薄黄色の桜が咲いている あまり目立たぬ遊歩道の一角 ソメイヨシノは散り始め ウコン(鬱金)かギョイコウ(御衣黄)か 見分けがつかない桜 すぐ後ろは保育園の庭 園児たちはこの桜を覚えてくれるだろうか
(人影が少ない桜並木の雨の朝) ラジオ体操の第一と第二の合間の首の運動ピアノ伴奏のメロディーは「ロングロングアゴー」(long, long ago)ベイリー作曲のイギリス民謡何も知らず、小学生時代に笛でこの歌を演奏したうまいのは少数、ほとんどが下手、私も…
人は一生で何度涙を流すのだろうか。それぞれの年齢、性、生活環境、性格などによって千差万別なのかもしれない。いずれにしても、人生は涙とは切っても切れない縁があるのだ。今日は3・11から13年目。あの大災害と原発事故によって、本当に沢山の涙が…
(近所で咲いたボケの花) 春はきぬ 春はきぬ さみしくさむくことばなく まづしくくらくひかりなく みにくくおもくちからなく かなしき冬よ行きねかし 島崎藤村(1872~1943)の詩集『若菜集』の中の「春の歌」の2節目だ。何とも暗く、寂しく、希望がない内…
(開花が近いモクレン。芽が膨らんでいる) 「遠い国には戦があり…… 海には難破船の上の酒宴(さかもり)……」と書いたのは石川啄木(『心の姿の研究(3)』の「事ありげな春の夕暮れ」)だ。啄木より21歳後輩の中原中也は「幾時代がありまして 茶色い戦争…
先日、気象予報士が言っていた。2月としては史上最高の陽気になりました、と今日は冬に逆戻り。糠雨よりももっと細かい小糠雨が降っているいつもの調整池、歩くのは私一人雑草が生い茂る一角から顔を出した雉鳩一家枯草をきれい刈った斜面。嘴でしきりに突…
(幸福度世界1のフィンランド・ヘルシンキにて) 暇であることはあまりいいことではない。世間の雑音が新聞、テレビを通じて入って来るからだ。世界も日本も心が晴れ晴れするニュースが少ない。私を含め、現代人はこうも愚かになってしまったのだろうと、朝…
人それぞれに好きな場所がある。自宅の居間や自分の部屋が一番という人もいるだろう。あなたはどこだろう。町の本屋、喫茶店、映画館、図書館、美術館、寺や神社、居酒屋、パチンコ屋、山や海? フランスの詩人シャルル・ボードレール(1821~1867)は「港」…
ナポリの若者よ なぜ君はロシアの野に来た 故郷の海に飽きたのか モズドク(注)で 対峙した僕は 君の故郷を思った
(1922年に初めてリスボン~リオ・デ・ジャネイロ間を飛行したF400ルジタリアのレプリカ・リスボンにて) 戦争は様々な才能の芽を摘み、あるいは奪ってしまうことは多くの先人たちの例が示している。このブログでも、彫刻家の高橋英吉、詩人の大関松三郎、ゼ…