小径を行く 

時代の移ろいを見つめた事柄をエッセイ風に書き続けております。現代社会について考えるきっかけになれば幸いです。(筆者=石井克則・遊歩)

2025-02-01から1ヶ月間の記事一覧

2712 寒くても幸福度世界一 想像の旅「フィンランド」

散歩中にラジオを聴いていたら、北欧フィンランドのことが話題になっていた。この国といえば思い浮かべるのは「ムーミン」と「オーロラ」と話していた。そうだなと思う。これに加え、クラッシック作曲家のジャン・シベリウス(1865~1957)を挙げる人もいる…

2711 ミモザのささやき 浅い春に寄せる詩(うた)

2月も明日一日になりました昨年はとうに満開になっていた高台の河津桜は数輪の花が開いた程度です一方で近所のミモザは鮮やかな黄色い花を見せ始めています調整池からは朝霧が立っています霧が消えると眩しいほどの陽光が水面を照らし光の春を演出している…

2710安くてうまい食堂いずこへ 米不足・物価上昇が影響

「後追い」という言葉を聞くと、今でもぞっとする。夢に見ることもある。マスコミ用語で特ダネを抜かれ、その記事を追いかけて書くことだ。スクープする方はいいが、される側はつらい。通信社記者時代、早朝の電話は「特ダネを抜かれているぞ」というデスク…

2709『なぜプーチンは戦争を続けるのか』 専門記者の緻密な分析

ロシアが隣国ウクライナに軍事侵攻して3年。ロシアのプーチン大統領の早期勝利のもくろみは絵に描いた餅となり、双方で多大な戦死者を出す「ウクライナ戦争」になっている。トランプ氏がアメリカの大統領に返り咲き、ウクライナの頭越しに停戦を主導する動…

2708 14年目の3・11 佐々木朗希の球春始まる

あと半月で東日本大震災から14年になる。つい先日の出来事のようにも思えるが、こんなに長い歳月が過ぎたのだ。3・11については、それぞれの地域で様々な体験が語り継がれている。原発事故の福島で故郷を追われた人、津波で親族や友人・知人を亡くし悲…

2707 波紋呼ぶトランプ発言 『ペチカ』を聴いて春を待つ

立春が過ぎたとはいえ、寒い日が続いている。石川では記録的大雪になっており、日本列島は「凍てつく大地」状態だ。早朝、ラジオのスイッチを入れると『ペチカ』(北原白秋作詞、山田耕筰作曲)という懐かしい歌が流れていた。今から99年前に発表された歌…

2706 「絶望」はもういい 拉致被害者の「失われた時を求めて」

「絶望」という言葉は重い。希望を失うことを意味するのは誰でも知っている。辞書には「何としても実現したいと願っていたことが不可能とわかって、希望を全く失う(希望が全く無くなる)こと」(三省堂『新明解国語辞典 第7版』とある。なぜ、このような後…

2705 虹が幾重に広がるような… 美しき夕焼けの「詩」(うた)

一枚の写真を見ています ある日の夕焼けの風景です この写真の風景をどう感じますか 悲しくなるほど美しい…… ここは何処でしょうか……⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄故郷を想い 海外を想い 歩んできた道を想い 友や家族を想うかもしれません⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄8…

2704 夢のない時代でも 貧窮のフォスターが作った名曲

(調整池に雲が映っている。光の春は近い) 夢のない時代になった。人道主義は遠のいた。自国第一主義で他の国との関係で何でもありを貫くアメリカのトランプ大統領の言動を見ていて、そう思う。そんな時、久しぶりにアナログのプレーヤーでレコードを聴いた…

2703「権威によりかかりたがる民族性」 戦後の日本人論の袖井さん逝く

政治学者で法政大名誉教授の袖井林二郎さんが今月10日に亡くなった。92歳。袖井さんといえば、著書『マッカーサーの二千日」、『拝啓マッカーサー元帥様』で知られる占領史研究の第一人者だった。「もともと人間は権威によりかかりたがる動物だが、日本…

2702 古時計よさようなら わが家の歴史を刻んで……

40年ほど使った掛け時計が動かなくなった。電池式の昔ながらの木を使った日本の伝統的デザインで、居間に落ち着いていた。しかし、人間をはじめとする動物も、人間が作った物もいずれは寿命がくる。時計は電池を入れ替えても動かなかった。精密機械のどこ…

2701 ある詩人の戸惑いと境涯 決して無為ではない

通信社時代の元同僚から、有料老人ホームに入居したという連絡がきた。体調が芳しくなかったので、以前から施設を探していたそうだ。こうした施設には様々な人が入っているはず。彼はどんな付き合いをするのだろうと思う。これからの生活については想像する…

2700 民衆の心に響いたオペラ ベルギー独立の契機に

東京丸の内の帝国劇場が建て替えのため今月限りで休館、59年の歴史に幕を閉じることになった。日本のミュージカルの殿堂として多くのファンに親しまれ、最後のミュージカルとして公演された『レ・ミゼラブル』が7日に千秋楽となり、カーテンコールでは出…

2699 虚業全盛の現代  不名誉な人ベスプッチ

新大陸の発見者として知られ、アメリカ大陸にヨーロッパ人として初めて到達した(1492年)のは、イタリア・ジェノヴァ生まれのクリストファー・コロンブス(1451頃~1506)だった。だが、「アメリカ」という名前が付いたのは、この後に入ったという同じイタ…

2698 近くにいる悪い奴ら 旅は細心の注意を

かつて勤務していた通信社の後輩が年末年始にフランスに旅行した際、地下鉄の中でスマホをスリに盗られたという。海外旅行で日本人がスリ被害に遭うのは珍しくない。私もスリランカで被害にあったし、若い友人がスペインで二重のスリ被害に遭遇したことをこ…

2697 「冬のもてこし」 立春・どこに行った雀たち

三好達治の詩「冬のもてこし」(詩集『駱駝の瘤にまたがって』創元社より)は、詩人としての発想の豊かさを感じさせる内容だ。タイトルだけでなく詩の中にも何度か使われる「もてこし」は、「運んできた」や「持ってきた」という意味のようだ。今日は立春。…

2696 なぜか飛行機事故の連鎖 ライト兄弟の成功から122年

人類が初めて動力飛行に成功したのは、アメリカのライト兄弟(兄ウィルバー、弟オーヴィル)だといわれる。122年前の1903年12月17日、アメリカ・ノースカロライナ州キティーホークという町で、オーヴィルが操縦するフライヤー号が12秒間、36メートル…