小径を行く 

時代の移ろいを見つめた事柄をエッセイ風に書き続けております。現代社会について考えるきっかけになれば幸いです。(筆者=石井克則・遊歩)

2022-06-01から1ヶ月間の記事一覧

2160 競い咲くヤマユリとカサブランカ 文学と絵画に“暗躍”?

庭の一角でヤマユリとカサブランカが競うように咲き始めた。それぞれ一輪ずつだから、競うという表現は大げさかもしれない。でも、2つの花は「私の方が気品はありますよ」と言うかのように、美しさは甲乙つけがたい。私が子どもの頃、ヤマユリはどこにでも…

2159 近づく「半夏生」 驚く6月の梅雨明け

(葉が白くなった半夏生。棒状の穂が花) 「半夏生」(はんげしょう)という言葉があります。ドクダミ科の多年草の名前でもあり、七十二候の中にも『半夏生(「はんげしょうず」)』があります。1年のうちで昼間の時間帯が最も長いという夏至から11日目の…

2158 難病と闘い書き続けた人 伊佐木健さん逝く

通信社の社会部で同じ時代を歩んだジャーナリストの伊佐木健さんが21日に亡くなった。77歳。難病のパーキンソン病と闘いながら、時代の動きを冷静な眼差しでコラムとして書き続けた伊佐木さん。著書『一九四五年に生まれて』(龍書房)は、伊佐木さんの…

2157 2日続きの夕焼けの下で 「マクロンする」世の中

私の住む街では16、17の両日、2日続きで夕焼けを見ることができた。夕焼けと言っても、両日を比べると全く違う。それが自然の姿なのだろう。16日は青空の中に夕焼けの赤い雲がまだらもようのように、転々と浮かんでいた。それに対し、7日はたなびく…

2156 紫陽花の寺で おかしなプーチンわら人形事件報道

千葉県県松戸市の神社のご神木にロシアのプーチン大統領を模したとみられるわら人形を打ち付けた疑いで72歳の男が15日、松戸東署に器物損壊と建造物侵入の疑いで逮捕されたニュースには驚きました。大々的に実名付きで報じたテレビ局もあれば、名前を出…

2155 コーヒーの香りに惹かれて 鉢植えに白い花が咲いた

作家の森村誠一は、散歩をするときに必ずデジタルカメラを持ち、俳句になりそうだという予感を持った風景を撮影し、後でそれを見て俳句を作るという。それを森村は「写真俳句」と呼んでいる。森村の句に「コーヒーの香りに惹かれ梅雨(あま)宿り」というの…

2154 命をつなぐ歌声を聴く 白血病発病から10年の友人

白血病を克服した年若い友人がいる。現在は元気な日々を送りながら、命を助けてもらった多くの人たちへの感謝の思いを伝える活動を続けている。「横浜プレガンド音心(おんころ)」という、音楽を通した骨髄バンクドナー登録の啓発活動だ。11日(土)には横…

2153 瓦礫の中のピアノ演奏 ショパンの2つの名曲

ショパンのピアノ曲を聴いていると、月並みの表現でいうと「感受性」あるいは「感性」という言葉が浮かんで来る。それほど、琴線に触れる作品が多いのだ。そして、ショパンの曲にはどことなくもの悲しさがある。これは私の独断と偏見だ。

2152 人は生まれながらにして 「性善説」を信じたいが……

新型コロナウイルスで大きな影響を受けた事業者向けの「持続化給付金」の詐取事件が相次いで摘発されている。国税局職員、経産省キャリアといった国家公務員も不正受給に手を染めている。毎日新聞の報道によると、政府関係者は6000件の不正が疑われ、そ…