2023-08-01から1ヶ月間の記事一覧
外はまだ暑い。だが、近くの調整池の森は少しだけだが緑色に茶が混じり始めている。晩夏なのだ。そんな時、これまで出会った風景を思い浮かべる。季節はさまざまだ。いずれもが悲しみ・哀しみを伴う。「エレジー」(悲歌、哀歌)を連想する風景だ。8月の終…
(ポール・モリソン作「オクリア」十和田市現代美術館) 1945年8月15日、日本は連合国に無条件降伏し、太平洋戦争が終わった。敗戦に打ちひしがれた日本人の前に現れたのはダグラス・マッカーサー(1880~1964)だ。GHQ(連合国軍最高司令官総司令部)最高…
「貴重なマツムシ(ちんちろりんと鳴く)の住む風とおしのよい土手の草を全部刈るのはなげかわしいです」。散歩コースの調整池の斜面に、厚紙で書いた抗議文が掲示されているのを見た。夕方以降散歩はしないから、私はここにマツムシ(松虫)がいるとは知ら…
(暑くても萩が咲き始めた。秋への移行が近いのか) 終戦日母の人生一変す(東広島市・久岡則子) 新聞の俳句欄(8月27日、朝日俳壇)に載っていた句だ。78年前の8月15日、日本は連合国に無条件降伏し、内外のおびただしい人々を巻き込んだ戦争が終…
言葉は難しい。最近の政治家の常套語として「丁寧」が頭に浮かぶ。岸田首相も好きな言葉らしい。東電福島原発の汚染水を薄めるべく処理した「水」を海に放出するに当たっても「地元や国際社会に対する『丁寧な説明・情報発信』を行うよう指示した」ことがニ…
人生には、何度か岐路があります。これからの生き方の選択です。大リーグで二刀流として異次元の活躍をしていた大谷翔平が右肘靭帯損傷と発表されました。既に右肘は2018年にトミー・ジョーン手術をしているのですが、2回目の手術をするのでしょうか。…
(ポンペイ遺跡) 紀元(西暦)79年といえば、日本では弥生時代だった。この年の今日8月24日、ローマ帝国の植民都市で「ローマ文明の縮図」と言われたポンペイ(イタリア)が、北西にあるベスビオ火山の大噴火と翌日発生した大火砕流によって埋まってし…
猛暑が続き食品の痛みも激しく、食中毒が心配される季節だ。私たち家族も最近、買ってきた魚介類食べようとして腐臭に気付き、危うく食中毒を免れることを経験した。以前、海外取材でひどい食中毒になったこと、集団食中毒になった食べ物を食べずに無事だっ…
(バーベナが美しい) 最近「なおエ」という言葉を目にし、耳にすることが多い。大リーグ・エンゼルスに所属する大谷翔平がホームランを打つなど大活躍したにもかかわらず、チームが敗れたことを指す場合に使われるスラング(俗語)だ。特にネットの世界で幅…
(スーパーの駐車場の向こうに虹が) 朝のラジオ体操で、マスク姿が少なくなった。私も外してやっている。40人近い参加者のうち、マスクをしているのは数人だけだ。新型コロナ感染症が季節性インフルエンザと同じ「5類感染症」に引き下げられたことや連日…
私はかつて社会部の記者をしていた。どんな人込みでも、取材とあれば行かなけばならなかった。だが私は本来、人が多く集まる所は好きではない。だから、お祭りや盆踊りといった多くの人でにぎわう場所は敬遠することが多い。以前タワーマンションに住む知人…
(セイヨウフウチョウソウの花) ドイツの文豪、ゲーテ(1749~1832)は8月生まれだ。それにちなんでゲーテと同じ時代のドイツの楽聖、ベートーヴェン(1770~1827)の関係について、触れてみたい。ゲーテの顔はすぐには浮かばない。しかしベートーヴェンは苦…
(また咲いたディゴの花) 旧盆だ。かつては、正月と盆はだれもが休む特別な時期だった。今、盆はそうでもなくなった。夏休みをこの時期に取る人は多いにしても、全国民が一斉に休みを取るという習慣はなくなった。とはいえ盆は日本人にとって特別な慣習であ…
(御巣鷹事故犠牲者への祈りを思わせる垂直に立つクズの葉) 暦の上では立秋は既に過ぎ、残暑の季節になった。とはいえ、このところの暑さは生易しいものではなく、酷暑、炎暑と言う表現が似合ってしまうほどだ。朝の涼しいうちにと、6時前に家を出て散歩を…
先日の高校野球甲子園大会開会式で歌われた『栄冠は君に輝く』、長崎原爆犠牲者の冥福を祈った『長崎の鐘』、この2つの名曲を作曲したのは福島県出身の古関裕而(1909~88)だ。私は『長崎の鐘』のメロディーを聴くと、一枚の写真が頭に浮かぶのだ。あの少…
(白花のキョウチクトウ) 「千紫万紅」(せんしばんこう)と言う言葉がある。色とりどりの花が咲き乱れている様子、色あざやかなさま、紫や紅などのいろいろな色の花という—意味だ。猛暑の中、さまざまな花が咲いている。中でも、青空に似合うキョウチクト…
詩人、木原孝一(1922~79)が、東京への空襲で死んだ弟のことを書いた「鎮魂歌」という詩がある。弟への思いをたどりながら、1928(昭和3)年から1955(同30)年までの時の流れを追った反戦詩といえる。その最後の節は以下の通りだ。 一九五五年戦争が終わ…
(友人の風哲さん宅の庭に咲いたインドハマユウ) 「土と植物を相手にする仕事は、瞑想するのと同じように、魂を解放させてくれるのです」。庭仕事を愛した作家、ヘルマン・ヘッセ(1877~1962)の言葉だ。庭をテーマにした作品を続けて読んで、庭にはヘッセ…
「申告敬遠」という野球用語がある。私は最近、これを「深刻敬遠」と言い換えている。米大リーグ、ロサンゼルス・エンゼルスで活躍する大谷翔平が、1試合で複数回勝負を避けられているのを見て、こう名付けた。つまらないからだ。全力で相手に立ち向かうこ…