小径を行く 

時代の移ろいを見つめた事柄をエッセイ風に書き続けております。現代社会について考えるきっかけになれば幸いです。(筆者=石井克則・遊歩)

2023-04-01から1ヶ月間の記事一覧

2306 生まれ変わっても新聞を読むか 達意と人の心を打つ文章こそが…

(イングリッシュブルーベル=ツリガネズイセン))「わたしは生まれ変わつても新聞を読むだろう。まともな言葉づかひの新聞を読ませてくれ」。作家・文芸評論家の丸谷才一(1925~2012)の『星のあひびき』(集英社文庫)というエッセイ集を読んでいたら、…

2305『現代を歩く』(29)独りになっても 外国人若者との交流を糧に

(ラナンキュラスの赤い花) 国際化社会だ。世界の動きは逐一テレビやインタネット・SNSを通じて入ってくる時代。世界には様々な人がいる。その大半は戦いを憎み、人の世が平穏であることを願っている。スーダンの戦闘を伴う軍部内での対立で、外国人は退避…

2304 落とした財布が戻った話 大阪では裁判に

(モチツツジ)「昨日は大失敗しましたよ」。朝のラジオ体操仲間の一人があいさつの後、こんなことを言い出した。財布を落とし、冷や汗をかいたというのだ。最終的に落とした財布は無事戻ってきて、知人は「日本はまだ捨てちゃもんじゃないと思います」と話…

2303 旅の途中に宮沢賢治の世界 心弾む躍動の選手たち

(鮮やかに咲いたベニカナメの花) 全国の鉄道駅のホームで、様々な発車メロディーが流れている。岩手県花巻市のJR東北新幹線新花巻ホームは宮沢賢治(1896~1933)作曲の『星めぐりの歌』だ。今年は賢治の没後90年になるが、賢治人気は依然高い。同時に、…

2302 朝寝坊はもったいない! 自然に接する季節

(満開の藤の花) このところ、自然に接することが多い。4月は百花繚乱の季節だから、様々な花々を見て、生きていることを実感する。毎朝、ラジオ体操に集まる広場の後ろの森では「キンラン」が増え、愛らしい黄色い花が咲いている。広場から1・5キロほど…

2301 好きな道走り抜ける 邦字紙創刊者の偲ぶ会

海外には大小様々な邦字紙(日本語新聞)がある。そのうちの一つがフィリピン・マニラで発行されている「日刊まにら新聞」だ。この新聞の創刊者、野口裕哉氏はコロナ禍さ中の2020年8月、74歳で亡くなった。それから間もなく3年。昨15日、友人、知…

2300 名前を覚えるのは難しい? 頭をたたかれた苦い体験

(ナニワイバラ) 東京のある小学校での出来事。6年生、21人のクラスの担当になったのは新任の男性教師だった。その挨拶。「先生はみんなの名前を覚えるのが苦手だから、最初に名前を名乗ってから話をするように」。これはNHKラジオ「まい朝5時台ニュー…

2299 若者こそ自転車は危ない! 手離しハンドルで携帯とたばこ

(自転車の姿がない時間帯の遊歩道) 自転車に乗る場合、今月からヘルメットの着用が努力義務(罰則はない)になった。自転車の人のヘルメット着用率は数パーセントしかないという。事故によって頭を損傷する可能性があるとして、道路交通法(63条の11)…

2298 植物を愛する心 牧野富太郎とともに

(キバナモクレン) 今朝、ラジオ体操仲間と「黄色いモクレンの花が咲いた」ということが話題になった。四季折々、身近な自然に目を向ける人たちが少なくない。NHKでは植物学者牧野富太郎(1862~1957)をモデルにした『らんまん』という、朝のドラマが始ま…

2297 都市部でも「山笑う」風景 大丈夫か神宮外苑

(今朝の「山笑う」風景) 故郷やどちらを見ても山笑う 正岡子規「山笑う」というのは、俳句の春の季語だ。歳時記には「春の山の明るい感じをいう。北宋の画家、郭煕(かくき)の『林泉高致』の一節「春山澹冶(たんや=あっさりしてなまめかしいさま)にし…

2296 難しい桜の見分けと人格 役人は人民の召使だと漱石

散歩道に薄黄色の桜の花が咲いていた。図鑑やネットで調べてみると、2つの品種「ウコンザクラ」(鬱金桜、右近桜)と「ギョイコウザクラ」(御衣黄桜)のどちらかと思われた。特徴は2つともよく似ているが、花びらの大きさから見て、後者かもしれないと見…

2295 朝露を踏みながら 早くもライラックの季節

ライラックといえば、ヨーロッパ原産の花でフランス語ではリラという。冷涼な気候を好むから、日本では明治中期に渡来した北海道に多いといわれる。散歩道にもうこの花が満開になっているのを見つけた。何とも気が早いと思うのだが、地球温暖化に自然は敏感…