2025-07-01から1ヶ月間の記事一覧
熱帯アジア・アフリカ原産のグロリアサの花 総理大臣ひとりを責めたって無駄さ 彼は象徴にすらなれやしない きみの大阪弁は永遠だけど 総理大臣はすぐ代わる 谷川俊太郎の詩集『夜中に台所でぼくはきみに話しかけたかった』(青土社)の中の一節だ。この詩集…
葉がバナナに似ているプルメリアの花 風鈴の音を点ぜし軒端かな 高浜虚子 軒先から風鈴の音が聞こえる、そんな風情を感じることが最近はあまりない。猛暑が続き、風も弱く、私の部屋はエアコンのために閉め切っており、折角の風鈴も用がない。江戸時代風鈴売…
『家路』の歌が聞こえるようだ クラッシックの中の交響曲でポピュラーな作品の代表格といえば、チェコ・ボヘミア生まれのアントニン・ドヴォルザーク(1841—1904)の「新世界より」という愛称で呼ばれる「第9番 ホ短調作品95」かもしれない。中でも第2楽…
夕焼けを見て、あなたは何を思いますか鳥になって近くを飛んでみたら気持ちがいいだろうな郷愁や思い出に浸る人が多いかもしれません子どもの頃友だちと手をつないで帰ったこと「夕焼け 小焼け」を一緒に歌ったこと人の心を和ませる太陽と雲の見事な演出美し…
涼し気な一輪の朝顔 猛暑が続く。涼を求め、冷たいものを口にする日々。できれば「涼しい顔」で人と接したい。だが、そうは行かず、汗を流して暑苦しい顔で「今日も暑いですね」とあいさつしてしまう。ほとんどの人が私と同様に、暑さに耐えているのだろう。…
雲が怒っているような西の夕空 タイとカンボジアの間で国境をめぐって武力衝突が起きている。世界(文化)遺産の地だ。人類共通の財産ともいうべき世界遺産が争いの原因になっているのは、不幸なことである。その場所はカンボジア北部プレアビヒア州のダンレ…
「宙宇」という言葉がある。時間と空間という意味だ。ただ、最近はほとんど使われることが少ないためか、手元の広辞苑を含めたすべての辞書にこの言葉は載っていない。死語になりつつある、と言ったら「宮沢賢治だって使っているじゃないか」と怒る人もいる…
孔子の言葉と弟子たちとの問答を集めたといわれる「論語」の最初は「学而第一」で冒頭によく知られている言葉が出てくる。《子曰く、学びてこれを習う。亦説(またよろこ)ばしからずや。朋遠方より来たる有り。亦楽しからずや。人知らずして慍(いた)らず…
北海道や東北、日本海側、長野などの一部の道県を除き全国の小中高校は19日から夏休みに入っている。夏休みの朝といえばラジオ体操だ。私も子どもの頃、近所の神社の境内に行き、体操をやったことを鮮明に覚えている。現在、私が参加している近所の広場で…
ヒグラシが鳴いている調整池の森 夕方、近所の調整池を回る道を散歩していますと、近くの森から「カナカナカナ」というヒグラシの鳴き声が聞こえてきました。その声は、私の耳には哀調を帯びているように入って来たのです。同じセミでもクマゼミのけたたまし…
今朝のラジオ体操広場の上空の雲 第二次大戦中、ナチスににらまれながら、ぎりぎりまでドイツにとどまっていた作家のエーリッヒ・ケストナー(1899~1974)は、かなり辛辣な言葉を残している。その中の一つに「卑劣漢」に対する厳しい見方がある。子…
土用丑の日、夕方は美しい夕焼けが 昨日のブログで触れた通り、今日19日は土用の丑の日だ。土用は立秋前の18日間をいい、この時期にある丑の日が土用の丑の日だ。暑い盛り、夏バテをしないよう昔からうなぎをはじめ土用しじみ、土用餅、土用卵など精のつ…
梅雨明けの空はどこまでも青い 気象庁は今日18日、「関東甲信と北陸、東北南部が梅雨明けしたとみられる」と発表した。ここ数日、ぐずついた天気が続いたとはいえ、暑い日が多く、気分はとうに梅雨明けだった。明日は土用の丑の日。偶然、参加した会合でう…
80年前の今日1945年7月16日(月曜日)午前5時29分(日本との時差は15時間で、日本時間同日午後8時29分)、アメリカはニューメキシコ州ソコロにあるアラモゴード空軍基地の一角、トリニティ実験基地で人類初の核実験(注)であるプルトニウ…
(南の島の今は穏やかだ) かつて通信社の社会部記者時代、児童文学作家の庄野英二(1915-—1993)を取材したことがある。太平洋戦争中、南海の孤島に日米両軍の兵士たちがたどり着き、島民たちに助けられ島を去って行ったという実話があり、庄野の長編小説『…
ドレスデン市内の劇場広場 とオペラハウス ドイツ・ドレスデンは美しい街並みだ。第2次大戦で、連合軍の激しい空爆に遭い、街並みがほとんど瓦礫と化し、戦後復元された歴史を持つ。この街の誇りの一つといわれる国立ドレスデン古典巨匠絵画館(アルテ・マ…
アンデルセンの人魚姫の像(デンマークにて) 今、日本の新聞、テレビにその名前が一番多く載るのは、石破首相は別にしてアメリカのトランプ大統領ではないだろうか。新聞の一、二面はもとより国際面からオピニオン面、さらに社会面まで頁をめくるとこの人の…
(昨今は月見草ともいわれるオオマツヨイグサ=本来の月見草は別の花) 「東(あずま)の国からみちのくへかかって、つまり現在の福島県へ入って、郡山から福島までの間で、汽車の窓から左手にあざやかにこの山(安達太良)が眺められる。雪のある時には、そ…
透明感のある調整池の風景 明治生まれの母の世代は、戦争に翻弄された時代を送った。愛する人を戦争で失い夥しい人が絶望し、打ちひしがれた。そんな思いを、歌に救われた人もいるだろう。ただ私は、母がどんな歌が好みだったのか全く知らない。歌に救われた…
今こそは酔うべきの時だ!「時間」に酷使される奴隷となり終らぬためには、絶えず酔っていなかればならぬ!酒であろうと、詩であろうと、徳であろうと、それは君にまかせる。 フランスの詩人、シャルル・ボードレール(1821―1867)の散文詩『パリの憂鬱』(…
(ヤブカンゾウの中に一輪のヤマユリ) 自然公園の水辺朱色の花のヤブカンゾウの群生その中に一輪の白い花ヤマユリが咲いていただれかが植えたのか近くの斜面にはこのユリが生えている
早朝の伏見稲荷 「京都の建物は昔ながらの形を保っているが、それを見て古い感じはしなかった。それより先に目に入るのは人とお土産店だ。京都は伝統的情緒を失っているのではないかと心配だ。京都より奈良の方が好きという人の気持ちが分かった」。これは、…
(北上川にて) 『銭形平次』は『銭形平次捕物控』の小説の主人公で、神田明神下に住む岡っ引き(注)の親分のことだ。かつて時代劇のヒーローとして人気があり、映画やテレビドラマになった。作者の野村胡堂(18821—963)は、この小説のシリーズで知られた…
この雲の彼方に…… 長い人生を生きていると、さまざまな人に出会います。強烈な個性を持った人、その反対に慎み深い人。それぞれに忘れることができない人が少なくありません。かつて、若い時代に同じ職場、同じ団地に住んでいた先輩もその一人ですが、既にこ…
うつむくようなオニユリの花 うつむいて何を思案の百合の花 正岡子規 百合の季節です。庭の一隅では「ヤマユリ」が、近所の遊歩道の脇には「オニユリ」がそれぞれ花を咲かせ始めました。感心な植物です。こんなに暑い日が続いても、自分の花の時期は心得てい…
月山・月山神社 本宮(板垣光昭氏撮影) 最近「ハッタリ」という言葉が頭に浮かぶことが多い。トランプ米大統領の言動がその原因だ。つい先日も日本との関税協議がうまく行かないせいか、日本に対し「30%か35%、あるいは我々が決めた税率を支払ってもらう…
穏やかな地中海の風景 「写真は時代を映す鏡」といわれる。では、絵はどうだろう。私は一枚の絵を見て、時代背景を含めてさまざまな想像をするのが楽しみだ。たまたま部屋の美術カレンダーの7月分は、フランスのフォーヴィスム(野獣派)に属するシャルル・…