2023-01-01から1年間の記事一覧
(調整池の朝) 今日は2023年12月30日。年々、読書量が減っていることを身に染みて感じている。今年最後ともいうべき本を読み終えた。アメリカの女性の動物学者、作家が書いた小説だ。ディーリア・オーエンス作、友廣寛訳『ザリガニの鳴くところ』(…
「適切に対応したい」。政界、経済界だけでなく司法の場でもこの言葉が使われる。私が一番嫌な言葉だ。辞書によると「適切」は「よく適合していること。ぴったりあてはまること」、「対応」は「①互いに向き合うこと②両者の関係がつりあうこと③相手や状況に応…
今年の十大ニュースのトップは、国内が自民党のパーティー券キックバック問題、国際がイスラエルによるパレスチナガザ地区への軍事攻撃だと予想した通りだった。これは私だけでなく、多くの人はそう思っていたに違いない。昨年、締めくくりのブログで「20…
(AIはこんな風景をどう表現するのだろう) 今年2023年は様々なことがあった。中でも特筆すべきは、人類の今後に大きな影響を及ぼすと思われる人口知能(AI)が急速に日常の中に入り込んだことだと私は思う。新聞に、はAI研究の第一人者の学者が今後5~2…
朝6時過ぎ。外へ出ると凍てつく寒さだった。隣の家のご主人が玄関から出てきて、そこに備え付けの気温計を見ながら、「いま氷点下2・3度ですよ。気を付けて」と声を掛けてくれた。それでもラジオ体操広場には、いつものように20人前後の人が集まってい…
(富山市内の後方にそびえる立山連峰) 2万4千円の仮面が6億6千万円に……。こんな海外の記事を読んだ。野球の大谷翔平が7億ドルで契約する時代だ。驚くことは次々に起きている。自民党の裏金問題もどんな展開を見せるのだろう。2023年12月も残り10日。希望が…
中国・錦州(遼寧省)の古塔公園に、なぜか「耶律楚材」(やりつ・そざい。モンゴル名ウルツ・サハリ、またはウト・サカル。1190~1244)というモンゴル人の銅像がある。その昔、チンギス・ハーンの息子オゴタイ・ハーンに仕え、華北地方(中国北部地域)を…
詩を好きな人なら、大関松三郎という大相撲の力士のような、古風な名前を聞いたことがあるかもしれない。大関は18歳という若さで戦死した詩を愛する青年だった。この19日は大関没後79年になる。この機会に、大関の『雑草』というタイトルの詩を読み直…
温度差の激しい日が続き、風邪をひいてしまいました。どこか気が緩んでいたのかもしれません。コロナ禍直前にかかって以来ですから、約4年ぶりになります。体調がおかしいと、何もやる気が起きません。それではますます気分が落ち込んでしまいます。そんな…
自民党のパーティー券に絡むキックバック問題は、東京地検特捜部が今日13日の国会閉会を待って、関係議員の事情聴取など本格的捜査に入るとみられ、リクルート事件以来の大疑獄になるのではないかという見方も出ている。リクルート事件は私にとっても忘れ…
大リーグ、エンゼルス(アメリカンリーグ)からはフリーエージェント(FA)になった大谷翔平が、同じロサンゼルスにあるドジャース(ナショナルリーグ)と契約したと発表した。10年契約で、契約金は総額7億ドル(約1015億円)という、耳を疑うような超巨…
12月8日。82年前の今日、日本はアメリカの真珠湾を奇襲攻撃し太平洋戦争の開戦に踏み切った。戦争を知らない世代が大勢を占める時代だが、この日について考えることが多く、これまで書いてきた関連ブログ(下記)を読み返している。そんな中、これまで…
(紅葉したドウダンツツジ) 時々、トルコの『ナスレッディン・ホジャ』という笑い話の本を取り出して読む。国際紛争や日本の政治の動きに怒りが出ても、この小話集(202話・赤松千里訳)を読むと、思わず笑いがこみ上げてくるのだ。最近の日本の政治家を…
(一輪だけ咲いた赤いバラ) いつもの喫茶店。ドアを開けるとアイルランド民謡の『庭の千草』の曲が流れ始めた。その一番の詞(里見義訳詞)の終わり「ああ白菊 白菊 ひとりおくれて さきにけり」を聴いて、わが家の狭い庭の一隅にあるバラが、一輪だけ咲い…
配達された新聞を見ると、不愉快になることが多い。政治面、国際面、スポーツ面、そして社会面もと、何もかも面白くない話題が詰まっている。そんな時は、萩原朔太郎にならって寒くとも外に出る。朔太郎は家にいるより、多くの時間、散歩で過ごした。空を見…
(西の空に残月が見える早朝の風景) 子規は夢の中を走り続けた人である。 これほど人々に愛され、 これほど人々を愛した人は他に類をみない。 彼のこころの空はまことに気高く澄んでいた。 子規は、今も私たち日本人の青空を疾走している。にほんブログ村
(街路樹のけやきも大部分葉が落ちた)私が住む関東地方は、冬になると西高東低の気圧配置によって晴れる日が多い。青空が広がる風景を見ながら、日本海側の方々には申し訳ない思いになることがある。今日は晴天。風がやや強く、空に雲は見えない。城左門(…
「無季、自由律」の句といえば、種田山頭火、尾崎放哉が知られる。渡辺白泉(はくせん)の〈戦争が廊下の奥に立つてゐた〉は、コラムやエッセイにしばしば引用される季語がない名句で、1939(昭和14)年の作だ。当時は日中戦争最中であり、この2年後…
2014年(平成26)11月10日にこの世を去った俳優の高倉健さんは、私より10数歳年上だが、誕生日は同じ2月16日だった。亡くなって既に9年。ほとんど話題にならなくなった。昨日、久しぶりに夕刊社会面に高倉さんの記事が載っていた。高倉さんのパー…
心に太陽を持て。あらしが ふこうと、ふぶきが こようと、天には黒くも、地には争いが絶えなかろうと、いつも心に太陽を持て。 心に歌を持て。軽く、ほがらかに、自分のつとめ、自分のくらしに、よしや苦労が絶えなかろうと、いつも、くちびるに歌を持て。 …
わたしは ときどき言葉をさがす、 失くした品物を さがすときのように、 (中略) やわらかな言葉、やさしい言葉。 荒んだ人の心を柔らげるハーモニイ。 しゃべりすぎた自分を控えさせるモデラート。 そっとしておいて下さいと願う人にはピアニシモ。 そのと…
金色のちひさき鳥のかたちして銀杏ちるなり夕日の岡に 与謝野晶子(『恋衣』より=夕日に照らされて輝く丘に、金色の小さな鳥が舞うように銀杏の葉が散っている)。この歌のように、黄金色に色づいたイチョウの葉があちこちで舞っているのを見かける。その風…
(天を突く皇帝ダリア) 「忘却とは忘れ去ることなり。忘れ得ずして忘却を誓う心の悲しさよ」。テレビが普及する前の菊田一夫原作の1952~54年に放送されたラジオドラマ「君の名は」で極めて有名になった言葉だ。当時「流行語大賞」はなかったが、もしあった…
近所の喫茶店に入ったら、チェロの演奏で『浜辺の歌』(成田為三作曲、林古渓作詞)が流れていた。林古渓が作詞し、成田為三が作曲した日本の歌だ。それがいつしかチェロの曲としても知られ、今では世界各地で演奏され、世界の人たちに親しまれているという…
人が十人いれば十の、百人いれば百の人生がある。言い換れば、人はそれぞれ異なる歴史を歩んでいるのだ。だから、自伝あるいは自叙伝は読む人に感銘を与えるのだろうか。共同通信時代、同僚だった杉本万里子さんの自伝『わたしの二都物語 ジャカルタ、北京』…
坪田譲治の名作『子供の四季』(新潮文庫)には、町工場の経営権をめぐる争いから派生した執達吏による差し押さえの場面がある。自民党の神田憲次財務副大臣(衆院愛知5区)自身が代表取締役となっている会社が保有する土地と建物が、固定資産税の滞納で4度…
今朝、調整池を回るいつもの散歩コースにある小さな森で、ウグイスが鳴いているのを聞いた。11月9日。春から夏にかけての雄による鳴き声。それが立冬の翌日に聞いたのは、私は初めてだ。特別に暑い日々が続いたから、ウグイスも季節を間違えたのだろう。…
《落つるものなくなりし空が急に広し日本中の空を意識する》「妖しい感触の歌を遺した」(長谷川櫂)歌人、葛原妙子(1907~85)の一首です。今日は立冬です。昨日は台風並みの強風が吹いた地域もあり、落葉が道路の一角に集まっているのが目に付きました。…
イスラエルのアミハイ・エリヤフ文化遺産担当相がラジオ番組で、パレスチナ自治区ガザへの原爆使用は「選択肢の一つだ」と発言したことが波紋を呼んでいる。ウクライナに軍事侵攻したロシアのプーチン大統領も、ウクライナでの核使用をちらつかせる発言を続…
竹林の中に住み「竹林の隠者」といわれた作家で詩人の富士正晴(1913~1987)の『十一月・赤』という詩は、11月という季節を的確に表している。今年は11月になっても、各地で「夏日」(最高気温が25度を超える)を記録するなど、気候変動が激しい。そ…