2022-08-01から1ヶ月間の記事一覧
「天に軌道があるごとく、人はそれぞれ自分の運命というものを持っております。嘘つきは泥棒の始まり、と申しますが、最近は平気でごまかそうという政治家がいるようでございます。そうは行きません。おてんとうさまはよく見ているのでございます。いつか必…
夏の高校野球甲子園大会で宮城県代表の仙台育英が優勝した。大会優勝は東北の高校で初めてだ。かつて高校野球のレベルは、西高東低と言われた。今やそんな時代は昔の話になった。私の高校時代、野球部のエースだった級友のI君が2年前にこの世を去った。福…
「野球は筋書きがないドラマだという至言は、とくに栄光以外なにものも求めない高校野球において、ぴったりと心に喰いこむ。意外性とドラマ性は、それを演ずる高校生自身の哀歓にとどまらず、見る人をも感動させてやまない。ただ一箇のボールをめぐってのプ…
ジャン=フランソワ・ミレー(1814~1875)といえば、『落穂拾い』『晩鐘』『種をまく人』」などの農民画で知られるフランス・バルビゾン派の画家だ。このうち『種をまく人』(油絵)は、1850年、ミレー36歳の時に発表され、画壇に衝撃を与え…
最近、あちこちで白いユリの花を見かけることが多くなった。最初は花の形から「テッポウユリ」だと思っていた。だが、植物辞典によると、テッポウユリの開花時期は6月ごろとあり、葉の形も違う。行き着いたのは「シンテッポウユリ」という繁殖力の強い、外…
昨年開催された東京五輪・パラリンピック(以下、東京五輪あるいは五輪)に絡み、組織委員会の高橋治之元理事が大会スポンサーだった紳士服大手のAOKIホールディングから5100万円の賄賂を受け取った容疑でAOKIの3人とともに東京地検特捜部に逮…
一国のリーダーともなれば、様々な会合でのあいさつも仕事のうちだ。8月。岸田首相は広島、長崎の平和式典に続き終戦記念日の15日は、全国戦没者追悼式でも式辞を述べた。これらの全文は新聞にも掲載されている。そのキーワードは文章の丸写しである「コ…
沖縄戦での「ひめゆり学徒隊」の悲劇は、多くの人に知られている。糸満市にある「ひめゆりの塔」を訪れ、涙を流した人は多いはずだ。そうした学生たちの悲劇は、他の地域でも起きている。『神様は海の向こうにいた 平和を願って戦争体験を語る』(福島県棚倉…
ピアニストのフジコ・ヘミングさん(フジ子・ヘミング=本名:ゲオルギー=ヘミング・イングリッド・フジコ)が、絵本を出していることは知りませんでした。そのことを最近送られてきた齋藤八重子さんという知人の文章で知ったのです。絵本は松永順平さん原…
朝、元々の雑木林を整備して造られた自然公園の山道を歩いた。虫除けスプレーをしていたものの、やぶ蚊が寄ってきて、快適とはいえない。この道で季語にもなっていない地味な花を見つけた。「ヤブミョウガ」という花だ。スマートフォンのカメラを向ける。こ…
友人が「風哲」というペンネームで川柳と「犬の遠吠え」という風刺の短文(言葉)をウエブサイト(ウォッチドッグ21)に書き続けている。最近の作で目に付いたのは、《『パリ五輪』 せめてはAOKIの背広着て…——朔太郎》(7月30日)だった。よく考えた…
ある日の午後、手元の辞書『旺文社国語辞典第8版』(松村明、山口明穂、和田利政編)を何気なく開くと、巻末の付録に「和歌・俳句索引」の項目があり、「本文に全釈つきで収めてある和歌・俳句を引くためのものである」という説明のあとに「百人一首」「現…
「泉に添いて 茂る菩提樹……」は、シューベルト作曲の歌曲集『冬の旅』の中の第5曲『菩提樹』の歌い出しです。明治時代の訳詞家・近藤朔風の名訳が今も歌い継がれています。猛暑が続いています。こんな時、冷たい水を飲むと一息つくことができます。「砂漠に…