2023-05-01から1ヶ月間の記事一覧
(レースのカーテンを広げたようなオルレアの花) 田んぼの近くに住むという住民から、「カエルの鳴き声がうるさいので、騒音対応を」という持ち主に対する苦情があったというヤフーのニュースが話題になっている。嫌な時代になった。最近近所で似たような話…
六月を綺麗な風の吹くことよ 5月も最終週になり、間もなく6月だ。正岡子規(1867~1902)の5月から6月にかけての季節感を表現した明るい句だ。南方海上には台風2号が近づき天気は下り坂となり、九州北部から東海まで例年より早く梅雨入りしたが、こんな時こ…
(返り咲きしたオオデマリ)庭先の「オオデマリ」の花が咲いている。ゴールデンウイーク前には一度全部花が散っているから二度咲きであり、いわゆる「狂い咲き」、あるいは「返り咲き」(返り花ともいう)といっていい。この花の狂い咲きは多くは秋に見られ…
「日米開戦は12月7日(米国時間。日本時間では8日)、広島に原爆が投下されたのは8月の、何日でしたか?」。米国の著名なノンフィクション作家、ゲイ・タリーズは、日本のノンフィクション作家、柳田邦男との対談(『事実からの発想』講談社)で、こん…
(ラナンキュラス、ゴールドコイン) 2001年に『聖水』で芥川賞を受賞した青来(せいらい)有一の短編小説『鳥』の冒頭と最後は印象に残る似た言葉が繰り返し書かれている。
(紫陽花が咲き始めた) 新聞の発行部数が減り続け、本も売れない時代になっています。多くの人はスマホをのぞき込んでいます。しかし、朝、配達された新聞を開くときや新しい本を買って、頁をめくるときの独特のにおいが私は好きです。かつては、私と同じよ…
「ノンフィクション作品のおもしろさが、第一に、事実の発掘(facts finding)にあることは、よくいわれる通りである。ここでいう事実の発掘とは、単に物事を詳しく調べるということだけではない。事実の意外性によって、取材者が抱いていた先入観や社会通念…
(ウツギの花) 卯の花の匂う垣根に 時鳥(ほととぎす)早も来鳴きて 忍び音漏らす夏は来ぬ 歌人で万葉集の研究で知られる国文学者佐々木信綱(1872~1963)が作詞し、小山作之助が作曲した唱歌『夏は来ぬ』の一節だ。この季節になると、よく歌われる曲だ。…
(ひっそりと咲くアザミ) 童話作家で詩人の宮沢賢治が亡くなったのは1933(昭和8)年9月21日で、37歳の生涯だった。ことしで没後90年になるのを記念して映画『銀河鉄道の父』(成島出監督)が制作された。このクライマックスは、息を引き取る賢治(菅田将暉)を…
(ヤマボウシの花) 夜になると、近所の家の水槽で飼育している蛙の鳴き声がうるさいぐらいに聞こえてくる。蛙が歌っているのだろう。今年の立夏は6日だった。今日8日は強い雨が降り、肌寒い。旧暦七十二候の立夏初侯は「蛙始鳴」(かわずはじめてなく=冬…
(千葉県鋸山日本寺の大仏・薬師瑠璃光如来=座像の石仏としては日本一の大きさ) 今、地球には80億人以上の人たちがおり、それぞれに個性ある生き方をしている。『今しかない』第7号の「拝啓 お元気ですか」に描かれた人々もまた、懐かしい思い出の中に…
「拝啓 お元気ですか」。人それぞれに、こんな言葉で呼びかけてみたい大事な人がいる。これまで何度かこのブログで紹介している小冊子『今しかない』第7号は、この言葉をテーマに、短い言葉で邂逅の思いが綴られている。鮮烈なきらめきを感じる言葉の凝縮に…
(ツルバラ・アンジェラ) 一年で一番さわやかな季節といっていい。周辺を散歩していると、庭からかぐわしいバラの香りが漂ってくる。北原白秋の短い詩『薔薇二曲』を頭に浮かべながら歩く。調整池の周囲にある野ばらの白い花が満開になっている。現在、百花…
(密集して咲くシラン) かなり昔の小学生時代の話だ。私の通う小学校近くに「鐘馗様」(しょうきさま)というあだ名を付けられた農家の人がいた。その顔は、中国の道教系の魔よけの神で日本の端午の節句の幟(のぼり)や五月人形になった魁偉な容貌である鐘…