小径を行く 

時代の移ろいを見つめた事柄をエッセイ風に書き続けております。現代社会について考えるきっかけになれば幸いです。(筆者=石井克則・遊歩)

2023-06-01から1ヶ月間の記事一覧

2339 スポーツについての手紙 米国大統領から息子へ

(ウワミズザクラに実がなった) 息子に対し、大リーグ・エンゼルスの大谷翔平のように成長してほしいと思う世の親は少なくないかもしれない。それほど二刀流で大活躍する大谷の姿はまぶしいほどだ。スポーツに熱中する子どもへの思いを書いた著名な政治家の…

2338 聖歌にもなった『荒城の月』 滝廉太郎没後120年

(鶴ヶ城の歌碑) 『荒城の月』『花』で知られる作曲家、滝廉太郎が亡くなったのは120年前の1903(明治36)年6月29日である。1879(明治12)年8月14日の生まれだから23歳10カ月の短い人生だった。夭折したとはいえ2つの名曲は今も歌い継がれており、この作…

2337 自家中毒のプーチン・ロシア ワグネル反乱と侵略の末路

(雲行きが怪しいのはプーチンも?) ロシアの民間軍事会社ワグネルのプーチン政権への反乱騒動をテレビと新聞で見て、作家司馬遼太郎が『ロシアについて』(文藝春秋)という本で書いていた一節を思い出し、読み直した。ウクライナへの軍事侵攻に端を発した…

2336 懐かしき夏山の思い出 幼友達との安達太良・磐梯縦走

「夏がくれば 思い出す はるかな尾瀬 遠い空……」。」江間章子作詞、中田喜直作曲の『夏の思い出』を聴く度に、私は遠い昔を振り返る。それは尾瀬よりもはるかに遠い、安達太良山(1700メートル)と磐梯山(1819メートル)を縦走した当時のことである。私を入…

2335 「過信」は禁物です 自転車の無謀運転からプーチンまで

(夕刻、西の空の左側に夕陽、右側に彩雲が見えました) 先日、鳥取大学構内の坂道で男子学生(下り坂)と女子学生(上り坂)が乗った自転車同士が衝突し、女子学生が意識不明の重体になる事故があった。だれもが、道を歩いて自転車とすれ違う際ひやりとする…

2334 旅の空の下で 平和への願い

(もうヒマワリが咲いた) これまで駄文を書き連ねてきました。拙文を読んで、感想を寄せてくれた方に感謝しかありません。2334回も続けてきたのに、家族のことはほとんど書いた記憶がありません。このブログの検索機能を使ってみましたら、少しだけ関連のブ…

2333 続「悪花は良花を駆逐する」 厄介なオオキンケイギク

(道端で見かけたオオキンケイギク) 昨年8月、このブログで「『悪花は良花を駆逐する』のか」と題して、最近急速に増えている「シンテッポウユリ」について書いた。今回はこの続きで、やはり全国的に目につく『オオキンケイギク」のことを取り上げてみる。…

2332 どこまでも光で埋まるとき 「夏至」に寄せて

今日は「夏至」である。二十四節気の一つで、北半球では昼が最も長く、夜が最も短くなる日だ。ちなみに東京では今日の日の出が午前4時25分、日の入りが午後7時だから、昼の時間は14時間35分だ。実際に日が暮れるのは同7時38分だから、明るい時間はもう少…

2331 紫陽花を見に行く にぎわいと静寂の古刹

(光徳寺を創建した日意上人像) アジサイは、漢字で紫陽花と書く。中国、唐時代の著名な詩人、白居易が名付け親で、それが日本にも伝わったといわれる。ただ、白居易が見たのはライラックとする説が有力だと百科事典にある。この呼び方は、小さな青い花がた…

2330 「もっと生きたかった」人たちへ 捧げる「悲しみの交響曲」

ハイドン(1732~1809)の交響曲第44番ホ短調は《悲しみ》あるいは《哀悼》という愛称があり、「悲しみの交響曲」と呼ばれています。ハイドン自身の命名ともいわれ、「私の葬儀にはこの交響曲の第3楽章アダージョを演奏してほしい」と語ったと伝えられてい…

2329 人生の哀歓託した名前の植物たち 今夏も見られるか思い草

(「思い草」という別名のナンバンギセル) 日本には「思い草」「忘れ草」「忘れな草」など、人生の哀歓を託したような名を持つ植物がある。このうち「思い草」は、実は昨年の夏、散歩途中に見つけたある寄生植物の別名だ。「ナンバンギセル」という変わった…

2328 「言葉は強くて重い」アマゾンの奇跡とウクライナのダム決壊~

(もう開花したムクゲ)言葉は強くて重い。それを最近のニュースで再確認した。南米コロンビアで5月初めに小型機がアマゾンのジャングルに墜落、乗っていた家族ら7人のうち、子ども4人が40日後の今月9日に無事発見され、アマゾンの奇跡と報じられた。…

2327 「優しき」スポーツ選手たち 輝く大谷・佐々木・加藤の行動

(咲き始めたネムノキ) 今年もあと20日で半年が過ぎる。様々なニュースが世界を駆け巡っている。国際、国内双方とも「嫌悪」すべき話題のオンパレードだ。そんな中で、爽やかな話はないかと注意してニュースを見ていると、ある、ある。最初は嫌な話が後味の…

2326 半夏生と夕焼の空 梅雨入り直後の自然界

(6月9日の夕焼) (葉が白くなった半夏生=はんげしょう。棒状の穂が花) 6月は旧暦で「水無月」ともいいます。その意味は、梅雨が明けて水が涸れることからという説や水を田に注ぎ入れることから水の月という説など諸説あるそうです。いずれにして、水に…

2325 「生きる世界探しと命の輝き」と 2つの名曲を聴きながら

ネジバナ(ラン科ネジバナ属の小型の多年草。別名がモジズリ)とイチヤクソウ(ツツジ科イチヤクソウ属の常緑の多年草)がひっそりと咲いている。あまり見かけなくなった小さな植物の可憐な花は、疲れた心を癒してくれる。2つの花を見たあと、CDでかなり以…

2324 医学部「9浪」の果てに『母という呪縛 娘という牢獄』を読む

親と子の関係は、百人百様だろう。息子を溺愛するあまり、世間から批判を受けることを知ってか知らずか、息子を首相秘書官にさせ、結果的に辞めさせざるを得なかった岸田首相。政治は世襲とばかり、国会を闊歩する二世議員たち。格差社会といわれる現代。親…

2323 かまきりから蛍へと 受け継ぐさまよえる魂

(道端にひっそりと咲くホタルブクロ) 「芒種」(ぼうしゅ)という言葉がある。奥が深い日本語だ。一年を太陽の動きに合わせて24の気に分けた昔の分類『二十四節気』のうちの一つだ。芒種は夏至(今年は21日)の前日までの約15日間をいい、麦の刈り入れや稲…

2322 「アイリス」が語る自然への讃歌 「魂の表現」の芸術

近所の自然公園を歩いていたら、アヤメの花が満開になっていた。青や紫、ピンク、黄色もある。この花を見ていて、ゴッホが病気療養中に描いた『アイリス』を思い浮かべた。アヤメは水場に咲いている。一方、フィンセント・ファン・ゴッホ(1853~1890)のア…

2321 6月はフィヨルドの風景 ペール・ギュント「朝」を聴きながら

(ハルダンゲルフィヨルドの朝の風景。小さなカヌーが浮かんでいる) 今月の部屋のカレンダーは、マルコ・ボッティジェッリというイタリア人風景写真家が撮影したノルウエー南西部ヴェストラン地方のフィヨルドの幻想的風景だ。湖面には薄い雲がたなびく氷河…