小径を行く 

時代の移ろいを見つめた事柄をエッセイ風に書き続けております。現代社会について考えるきっかけになれば幸いです。(筆者=石井克則・遊歩)

2851 「アンの青春」とあの歌 夕暮れに思う詩(うた)

夕暮れの時、あなたは何を思いますか
今日一日に出会った人のこと、言葉もなく別れた人のこと
それとも昼においしいものを食べたこと
虚しいことより楽しいことが多かったでしょうか

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午後テレビで『赤毛のアン』を見ました
「アンの青春」、幼馴染のギルバートの求愛を拒絶
金持ちの子女が通う学校の先生に
悪戦苦闘が始まります

本棚にまとめて収まっているアンシリーズ
その中から1冊を取り出してみました
青春、私にとってほろ苦い時代でした
目標が定まらない焦りを持っていました

激しい雨が上がり夕暮れが始まりました
太陽は西へと傾いています
もの寂しい時間です
とぼとぼと散歩をする私です

この時間、蝉は鳴き終え
バトンタッチを告げるように
虫のすだきが聞こえてきます
猛暑の日々。でも秋は次第に近づいています

この時私は「あの歌」を口ずさんでいました
岸洋子さんが歌った『希望』です
希望という名の/あなたをたずねて
そう、アンも常に希望を持っていました

4番の歌詞の中に私の好きな言葉があります
なぜ今/わたしは/生きているのか
その時歌が/ひくく聞こえる
なつかしい歌が/あなたのあの歌……

夕暮れの中散歩をする人たち
みんな明日への希望を持っているはずです
アンの青春も希望が支えでした
ほろ苦い時代の私もようやくそれを見つけたのです

 ☆注=『希望』は、藤田敏雄作詞・いずみたく作曲、岸洋子の歌で1970(昭和45)年にキングレコードから発売された。

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