6月も今日で終わり。明日7月1日は七十二候の「半夏生」(はんげしょう)の日だ。歳時記によると、この日はサトイモ科の「半夏」(はんげ=カラスビシャクの漢名)が生え始めるころで、昔は田植えを終えた農家が休みを取る日だったそうだ。ドクダミ科の多年草である「半夏生」は、七十二候とは無関係だ。毎年この時期に花を付ける半夏生。近所の自然公園で、白い穂のような花が一斉に咲いていた。
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カラスビシャクについては、立ち止って観察する人はあまりいないのではないか。それと比べ、半夏生の群生は涼しげに見えるので、立ち止って見入る人の姿を見かける。この植物をよく見ると、葉の下半部が白色になり、その葉腋に白い穂上の花を付けている。だから「片白草」(カタシログサ)とも呼ばれているそうだ。公園の水辺にあるこの花は、毎年6月から7月にかけて、散歩をする人たちの目を楽しませてくれる。ことしは、このところの暑さで花の盛りも過ぎつつあるようだ。
俳句歳時記を見ると「半夏生」は、「時候」と「植物」の2つの季語として掲載されている。前者はカラスビシャク由来の七十二候として、後者は植物の半夏生として、である。植物の方には「時候の半夏生と表記が同じなので注意を要する」と、注意を促している。
卓上日記いま真二つ半夏生 鈴木榮子 ちょうど半年が過ぎ、卓上日記も半分めくった。時候が季語の句だ。それにしても、時間が過ぎるのがますます早く感じるこのごろだ。
半夏生咲かせ半信半疑かな 山田みづえ こちらはもちろん片白草の方だ。自然公園の水辺の3カ所で、この花が白い穂をつけている。昼間に見ている分には何でもないが、暗くなり始めた頃になると妖艶、あるいは不気味に見えるかもしれない植物だ。花が終わると、葉も緑に戻るのが特徴。
この自然公園では、半夏生とバトンタッチするように、かなりのヤマユリ(山百合)が咲く。しかし、今年はそれらしいユリの茎があまり見当たらない。例年なら咲き始めているころなのだが、つぼみを持ったユリが育っていないのだ。激しい気候変動の影響なのだろうか。何かの動物にやられたのだろうか。一方、わが家の庭のヤマユリとカサブランカはつぼみを持っていて、間もなく開花しそうだ。春、桐の花が咲かないことをこのブログで書いた。公園のヤマユリは大丈夫だろうか。花を見せてくれるだろうか。
(以上は半夏生)
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