小径を行く 

時代の移ろいを見つめた事柄をエッセイ風に書き続けております。現代社会について考えるきっかけになれば幸いです。(筆者=石井克則・遊歩)

2713 河津桜が咲いた朝に 浅い春の詩(うた)・続き

急に暖かくなった
例年より開花が遅い近所の河津桜
ようやく満開になった
街の中央にある高台の公園
この街を開発した数十年前
一軒の農家が最後まで立ち退きを渋っていた
交渉が成立してこの家が立ち退いた跡が整備され
河津桜とイチョウの名所になった
大昔から人が住み多くの土器も見つかり
伝統ある神社も一角にある
河津桜が満開でも私以外の人影はひとり
若い女性がベンチに座って携帯を見ている
この人にとって桜より携帯らしい
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散歩途中パチンコ店前で出会った光景
普通に歩くのができない老人
隣接する建物の壁に手をやりながら少しずつ進んでいる
杖は持たない
パチンコ店の入り口に近づくとよろよろ道路を横切る
入り口までの階段は這って上っている
入り口でドアに手を掛け立ち上がり
開いたドアから店内に入って行った
その執念に驚く
幾つになっても身に付いた癖は直らないらしい
一人暮らしの老人なのだろうか
ここまでどうやって来たのか
90歳ぐらいに見えるこの人はどんな人生を歩んだのだろう
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早朝のテレビニュース
よく見る顔がののしり合っている
アメリカのトランプとウクライナのゼレンスキー 2人の大統領
バンスという変な副大統領も「三文芝居」に加わっている
ゼレンスキーは元々演技がうまい役者だった  
でも演技でない必死さが伝わる
対する2人のアメリカ高官は上から目線で「感謝しろ」
世界中から嘲笑されるだろう
ロシアは大喜びだ
共同会見もなしの大げんか
「春なのにお別れですか」
以前に流行った歌の一節を思い出しため息をつく

 
 
 
 
 

  写真 河津桜の風景と小川で餌をついばもうとするセグロセキレイ。

    ☆これまでの詩」(うた)に関するブログ

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 2711 ミモザのささやき 浅い春に寄せる詩(うた)

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