小径を行く 

時代の移ろいを見つめた事柄をエッセイ風に書き続けております。現代社会について考えるきっかけになれば幸いです。(筆者=石井克則・遊歩)

02 井の中の蛙

 北海道のニドムゴルフコースであったゴルフの日本女子プロ選手権で、アメリカら一時帰国した宮里藍が難コースを克服して、優勝してしまった。コースが難しい設定だったためか、アンダーパーで回ったのは、藍と2位の韓国人選手の2人だけだった。実力者の大山も不動も、そして期待の横峯さくらも力を発揮できず、藍だけが光輝いて見えた。


 ゴルフの女子は藍やさくらの登場で空前の人気となった。しかし、藍のアメリカツアー参加でその人気に陰りが見え始めた矢先の帰国第1戦での公式戦優勝という快挙を成し遂げたのだから、藍の実力は日本の中ではトップに立ったといっても過言ではないだろう。


  それだけに、ほかのプレーヤーには奮起を促したい。藍に肩を並べつつあるかに思えたさくらは好不調の波が多すぎるし、不動はこれまでとは別人のように今季は精彩がない。


  永久シード権を手にして、目標を失ったというのだろうか。彼女の不振は残念でならない。藍の前に立ちはだかる大きな壁になってほしいと、思うな私だけではないだろう。


 かつて、常勝を誇った男子のジャンボ尾崎は、海外の試合では借りてきた猫のようにおとなしくなり成績も振るわなかった。不動もこのままではジャンボの二の舞になってしまう。「井の中の蛙」にならず、どんどん海外を経験し、線の太い選手になることを願うばかりだ。


  藍を見習ってほしい、と思う選手は少なくない。今季の残り試合で、宮里藍に立ち向かうのはどんな選手なのか……。