小径を行く

時代の移ろいを見つめた事柄をエッセイ風に書き続けております。現代社会について考えるきっかけになれば幸いです。筆者・石井克則(ブログ名・遊歩)

2080 秋から冬への風景 点描・美しい自然の移ろい

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                      (千葉県鴨川市の四方木不動の滝・雄滝)

 今年も残すところ、36日になった。カレンダーを見たら2021年という西暦のみのものがほとんどで、西暦とともに「令和3年」と併記されたのは1つだけだった。現行のグレゴリオ暦になって148年(日本では1872・明治5年12月2日=旧暦=の翌日を、明治6年1月1日=新暦グレゴリオ暦の1873年1月1日と、太陰太陽暦からグレゴリオ暦に改暦)。西暦=グレゴリオ暦が定着したといっていい。その中で旧暦の七十二候は日本の自然現象を観察するうえで、捨てがたい伝承だといっていい。晩秋から初冬、コロナ禍の中で見た美しい風景を、少しだけ紹介してみる。

 今朝、散歩をしていて調整池の北側斜面に霜が降りているのを見た。七十二候では「霜降」という候があり、「新暦ではおよそ10月23日から10月27日ごろ」という解説書きがある。農作物にとって大敵といわれる霜。北海道北部では大雪が降ったというから、こちらでも霜が降りても不思議ではない。太陽と反対側の西の空は、昨24日に続いて、ピンク色に染まっている。「ビーナスベルト」と言っていい現象だ。スマートフォンで撮影するため手袋を取ると、手先がかじかむ。

 先日、あまり知られていない滝を見に行った。房総の鴨川と聞けば、多くの人は海岸を連想するだろう。だが、一部は標高300メートル前後の房総丘陵に属している。そこに幅8メートル、落差10メートルの「四方木不動の滝」(よもぎふどうのたき)という、小さな滝がある。これは雄滝(向かって右側)で、その左側にはもっと小さいが雌滝がある。県道の駐車場から約20分山道を歩くと小さな不動尊を祭ったお堂があり、ここから数十メートル下ると滝の音が聞こえてくる。それが四方木不動の滝だ。知る人ぞ知る滝らしく、私たち家族以外に人影はない。滝の音だけが山の中に響いている。

 私の家近くの公園に植えられているメタセコイアが落葉直前となり、赤く色づいた。また、銀杏の葉も負けずに黄色く輝いている。メタセコイアは以前のブログで書いた通り「生きた化石」ともいわれるそうだ。天を突くような伸び伸びとした姿は美しく、好ましいと思う樹木の種類に入る。もちろん銀杏も嫌いではない。札幌大通公園、神宮外苑の銀杏並木は心に焼き付いている。

 世界的に猛威を振るっているコロナ禍。日本は第5波が収まってから、新規の感染者は急減している。海外では感染の再拡大傾向が続いているだけに、日本のこの現象は歓迎すべきことといえるだろう。それにしても急減の原因はよく分からず、第6波が来ることを不安視する声もある。滝の帰り、私は12月になっても感染再拡大がないことを祈って不動尊に手を合わせた。

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          (四方木不動の滝。左が雌滝、右が雄滝)

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           (色づいたメタセコイア

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           (道路わきの銀杏も黄色に)

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           (銀杏の大木の間から青空が)

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            (冬霧が立った調整池)

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           (夜明け前のビーナスベルト現象)

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            (夜明け前のビーナスベルト現象)

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           (夜明け前のビーナスベルト現象)

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            (調整池の北斜面に霜が)

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           (四方木の滝入り口にある不動尊

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