小径を行く

時代の移ろいを見つめた事柄をエッセイ風に書き続けております。現代社会について考えるきっかけになれば幸いです。筆者・石井克則(ブログ名・遊歩)

1435 スポーツとけが 大相撲・遠藤の休場を考える

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現在の大相撲で人気一番は、東前頭11枚目の遠藤聖大(25)だろう。アマチュア横綱から角界に入り、一時は東前頭3枚目と三役に近づく勢いだった。だが、けがが付きまとい、今場所(初場所)は1勝しかできないまま、7日目から右足首のけがで休場した。このままでは来場所、十両へと陥落する可能性が大きい。力士は土俵での勝負だけでなく、けがとの戦いという宿命がある。遠藤に再起はあるのだろうか。 スポーツとけがは表裏一体の関係にある。相撲やレスリング、柔道といった格闘技だけでなく陸上競技でも長距離選手の練習過多による疲労骨折、短距離選手の太ももの故障(日本陸上界のホープ、桐生は太ももの肉離れで一時競技生活を休んだ)など、あらゆるスポーツにけがが伴う。野球もそうだ。 けがをしない体を持つこと、あるいは保つことはスポーツにとって永遠の課題といえるだろう。大選手(あるいは大力士)は、けがが少ない。野球の大リーガー、イチローやかつての長嶋、王、張本、金田、落合、野村、野茂といった歴史に残る選手たちは、大けがをしたとは聞かない。巨人、ヤンキースで活躍した松井はヤンキース時代に足に故障を持ち、選手寿命を縮めた。故障さえなければもう少し、プレーができたはずだ。 最近でこそ、けがをして休場した相撲の白鵬もけがとは無縁だった。それだけにけがの多い(昨年は左足の膝を負傷)遠藤の前途は険しいと言わざるを得ない。長い間、故障した体が直らず大関の座を陥落寸前まで行った琴奨菊は、今場所元気で7連勝を飾った。だいぶ体調が戻ってきたことが背景にあるのかもしれない。一方、昨年秋場所までの勢いでは横綱昇進が間近いと思われた大関照ノ富士も、右ひざのけがが直りきらず、さらに右鎖骨を骨折し、今場所6日目から休場してしまった。けがを直さないと、横綱への道も遠くなってしまうだろう。 相撲中継を見ていて気付くのは幕内の力士たちがほとんどテーピングをしていることだ。ただ一人、モンゴル出身の前頭13枚目、貴ノ岩はどこにもテーピングをしていない。貴ノ岩が珍しいのだから、いまの角界は正常な姿とはいえない。柔道やレスリングと違って大型力士と軽量力士が対戦する相撲だけにけがはなかなか防げない。かつては土俵上でけがをして翌場所も休場しても番付が下がらない公傷制度があったが、廃止になっている。運用を厳格にして、復活することも考えていいだろう。 2年前、タイからの帰りに、空港で左肩を痛めた。スーツケースを預ける際に係員の指示で2つ一緒に持ったため、肩の筋を痛めたようだ。1年近く医者に通ったが、痛みはひかず、面倒になって医者通いをやめた。その代り、毎朝、近所でやっているラジオ体操に参加した。その結果、最近痛みはだいぶ少なくなった。ラジオ体操の効果といえるだろう。そういえば、イチローは外野守備につくと必ず屈伸運動をしている。イチローがけがをしないのは、こうした体を柔軟に保つ姿勢と実行力の賜物なのかもしれない。
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写真 1、小川のせせらぎ 2、鴨がのんびりした時間を送っている (記事とは関係ありません) 1173 身体痛めて情け知る 空港での心温まる話 タイへの旅(1)