小径を行く

時代の移ろいを見つめた事柄をエッセイ風に書き続けております。現代社会について考えるきっかけになれば幸いです。筆者・石井克則(ブログ名・遊歩)

1427 幸あふれる人生 北海道移住の知人が写真展

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首都圏から北海道に移住して6年目の生活を送っている知人から、最近、嬉しい知らせが届いた。実は、知人の北海道移住は悩みに悩んだ末の決断だった。だが、北海道の自然はそんな悩みを吹き飛ばした。知人が撮影した北海道の風景写真は多くの人の心に響き、新年早々写真展が開催されることになったというのである。 知人は現在、奥さんとともに北海道中部の人口2021人(3月31日現在)の北竜町に住んでいる。なぜ、この町に移り住んだのだろう。その間の事情に簡単に触れると、54歳の時、「若年性アルツハイマー」と診断されたことがきっかけだった。 定年はまだ先のことで、東京の職場で管理職として多忙な生活を続けていた。思い悩んだ知人は、若年認知症の家族会を訪ね、代表の干場功さん(北竜町出身)の紹介で別の病院で診てもらった結果、認知症ではないことが分かった。だが、そのままの生活を続けていれば発病する恐れがあると言われた。 こうして、知人と奥さんは共に東京の勤務先を退職し、自然との暮らしを求めて家族会の支部がある北竜町へ奥さんとともに移住した。2010年3月のことである。 たまたま総務省が進めている「地域おこし協力隊」の隊員募集があり、奥さんとともに7月から町の非常勤職員に採用された。北陵町ポータルというインターネットのサイトで北竜町の活動を紹介するのが大きな仕事であり、この隊員を3年間務め、さらに2013年からは第1期(任期3年)総務省集落支援員となり、引き続き北陵町ポータルを受け持っている。支援員の仕事は2016年からの第2期(3年間)も継続する予定だという。 2人が運営する町のサイトは、奥さんが記事を書き、写真を知人が担当している。そのサイトは多くの人を魅了している。そして、お正月には知人が撮影した数々の写真を選んで「北竜の風景」という写真展が町の複合施設「サンフラワーパーク北竜温泉」で開催されることになった。 知人は「記事のための写真撮影が仕事となり、気が付くとフルサイズのカメラを手にしています。軽自動車が買える程の投資をしていました。文章を書く妻とウェブを管理する私が、町の想いを外に内に伝える仕事に心から満足しています。人生、捨てたものではありません。人生、本当に何がどうなるか、分からないものだと思うようになりました」と、この6年の北海道生活を振り返っている。いま、知人夫妻は「幸」あふれる人生 を送っている。 写真は、東京藝大構内のイチョウ 2人が運営する「北竜町ポータル」 2人の個人ブログ「エンジョイ!北海道 (Enjoy Hokkaido !)」 632 人生の選択(2) 北海道・ひまわりの町に移住した知人夫婦