小径を行く

時代の移ろいを見つめた事柄をエッセイ風に書き続けております。現代社会について考えるきっかけになれば幸いです。筆者・石井克則(ブログ名・遊歩)

1349 桜絶景 花散る道を歩く

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桜は日本を代表する花である。現在、列島は桜前線が北上中だ。今月末には青森まで達するだろう。なぜ、日本人は桜を愛するのだろう。一時期、桜は暗いイメージでとらえられた。 しかし、平安時代から現代までを通じて、基本的に人は桜の下に集まり、楽しく酒を飲んでいる。テレビ映像で見る上野公園は外国人の姿も多く、中東、アフリカで吹き荒れるイスラム過激派による蛮行を想像することはできない。当然、「現代の花見には悲壮感などかけらもない。散る花を惜しんで物思いにふける人など花見の席には見当たらない」(田中秀明監修『桜信仰と日本人』)のである。 吉野山の桜を愛した平安時代歌人で僧侶の西行は2つの桜に関する歌を残している。この春、桜を求めて歩き、西行の気持ちが分かった気がした。 「ねかはくは 花のしたにて 春しなん そのきさらきの もちつきのころ (山家集)」 「ねかはくは はなのもとにて 春しなん そのきさらきの 望月の比 (続古今和歌集)」 この願いの通り、西行は河内弘川寺で『如月の望月のころ』(2月16日)に死んだという。春の最中であり、涅槃の日だった。「落花に埋もれて死にたい」という願いが叶ったのだ。 東京の桜の名所といわれる王子・飛鳥山の桜を見て、こんな句が浮かんだ。 花筏眺めて語る旧き友 飛鳥山花散る道に老い二人 きょうは強風が吹き、花吹雪が舞っている。 以下は私が撮影した桜絶景である。 1~3は私の近所の桜、2~8は飛鳥山、9は王子駅前の高層ビルから見た飛鳥山北陸新幹線車両だ。
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