小径を行く

時代の移ろいを見つめた事柄をエッセイ風に書き続けております。現代社会について考えるきっかけになれば幸いです。筆者・石井克則(ブログ名・遊歩)

1320 おかしな解散の儀式 劣化する政治

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衆議院が解散し12月14日に選挙が実施される。伊吹文明議長が解散の詔書を読み上げる際、「バンザイ」の声が途中で出てしまい、終わった後議長が「バンザイはここでやってください」と促すというおかしな解散の儀式だった。 政治評論家といわれる人たちも、タイミングが狂い、議長がバンザイについて言及したのは初めてのことだと解説していた。 前回の衆議院解散は21012年11月16日で、12月16日に総選挙があり、民主党が惨敗し、自民党が政権を取り返した。それから2年。安倍首相は消費税10%増税を見送り、700億円という巨額をかけて総選挙をやる道を選んだ。 当然、野党は反発した。「バンザイ」を叫んだのは、自民党公明党の与党の議員だけだったようだ。解散の際、いつから議場で万歳が行われるようになったのかは定かではないが、国会での万歳は、衆院解散が天皇の国事行為であるため、天皇に対する敬意を表すためという説や、万歳をやると、選挙に落ちないというジンクスもあるらしい。 先日、弁護士グループが選挙翌日に選挙無効の裁判を全国の高裁・支部に起こすことを明らかにしている。1票の格差に対する国会の改革が進まず、裁判所からは違憲・選挙無効(高裁)や違憲状態(最高裁)の判決がこれまで繰り返し出されており、今度の選挙でも7選挙区が1票の格差が2倍以上あるといわれる。 だが、これに対する是正はされず、国会議員の定数削減の動きも鈍い。今回の選挙で475人の議員が生まれるが、政治資金で問題になった人たちが再選するようでは、政治不信が募る一方ではないか。 戦後初めての総選挙が実施されたのは1946年4月10日のことで、定数は466に対し82人の女性が立候補し39人が当選した。ところが、今回の解散前の議員の数は480人で、うち女性は先進国では最低の39人。68年前と同数であり、割合は下がっているのだから、日本社会はほとんど進歩せず、政治や政治家は劣化の一歩をたどっているように思えてならない。 何を考えてのバンザイか さて選挙はどうするか ユーモア精神あふれるものは?間投詞について