小径を行く

時代の移ろいを見つめた事柄をエッセイ風に書き続けております。現代社会について考えるきっかけになれば幸いです。筆者・石井克則(ブログ名・遊歩)

1096 白い可憐なコーヒーの花が 庭ではカイドウも満開に

 
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久しぶりに、わが家のコーヒーの木に白い花が咲いた。2008年と次の年の09年に花が咲いたこと、実がなったことなどをこのブログで紹介している。その後は花が咲かなかったので、大げさにいえば4年ぶりの開花だ。手入れが足りなかったのかもしれない。この4年の間には東日本大震災をはじめ、いろんなことがあった。コーヒーの木はそれを黙って見ていたのだ。 花はまだ咲き始めたばかりで、花の数も少ない。だが、花をつけるだけの元気を取り戻してくれたことがうれしい。コーヒーはエチオピアが発祥の地といわれているそうだ。紀元前の昔、遊牧民の山羊飼いと修道僧が野生の赤い木の実を食べたところ、全身に精気がみなぎった。そのため、この実を食べる習慣ができ、13世紀ごろには焙煎という方法を経て、飲み物として世界に定着したのだという。現在、約70カ国で生産され、世界で最も嗜好飲料として飲まれているのがコーヒーだそうだ。 コーヒーの花を見た後、豆をコーヒーミルで挽いて飲む。最近、朝のコーヒーを入れるのは、私の担当だ。以前は手挽きのミルを使っていたが、時間がもったいないので、電動に切り替えた。こんな可憐な花が実をつけて、独特の香りの飲み物になるのだから自然界は驚異だと思いながら、ミルで挽いた粉に湯を注ぐ。 今朝もいつもの調整池を散歩した。周辺はかなり濃い霧発生し、池もかすんで見える。自室のカレンダーの写真は、中国の桂林地方だ。観光名所といわれる漓江を挟む切り立った岩山が霧に包まれた幻想的な風景だ。霧は見慣れた風景に変化を与え、楽しませてくれる不思議な力を持っている。 
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庭先では、中国原産のカイドウの花が満開だ。中国唐代の傾国の美女・楊貴妃玄宗皇帝はカイドウの花にたとえたといわれる。この花については、蕪村と一茶の俳句もよく知られている。いずれも、玄宗皇帝と楊貴妃の故事を比喩した句といわれる。
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海どうや 白粉に紅を あやまてる  与謝蕪村 海どうの 日陰育ちも 赤きかな 一茶 モクレンやコブシに続き、桜が咲き、カイドウも満開になった。春爛漫の季節だが、花粉症の人たちにはつらい日々が続いている。昨日までの寒さがゆるみ、急に暖かくなるというから、花粉の量も多いだろう。我慢の季節はあと1か月余、おいしいコーヒーを飲んで一時はつらさを忘れてほしいと願う。 以前のコーヒーに関する記事 優しい時間 コーヒーの小さな実 純白で可憐 カフェの赤い実