小径を行く

時代の移ろいを見つめた事柄をエッセイ風に書き続けております。現代社会について考えるきっかけになれば幸いです。筆者・石井克則(ブログ名・遊歩)

648 カーテンなしのJR車両 省エネ時代に逆行

最近、急に暑くなった。電車の座席に座っても、日差しが強いと感じることが多い。特にJRがそうだと思い、よく見てみると、山手線や京浜東北線横須賀線をはじめとする首都圏を走る電車の窓には日差しを遮るカーテンがない(新しい電車で、旧型は付いている)ことに気付いた。

たしかに、窓は広くて外の景色はよく見える。だが、こう暑いと景色どころではなく、日が差し込む側に座っている人たちは、冷房が効いた車内なのに、暑くて仕方がないという顔をしている。中には我慢が出来ずに立ってしまう人もいる。それでもJRに文句を言う人はいない。日本人は大人しくて、従順なのだ。

なぜ、このようなカーテンなしの車両を採用したのだろうか。乗車区間が短い人なら、気にはならないかもしれない。しかし、利用者はそんな人ばかりではない。遠距離を利用する人の立場をJRは考慮に入れていないのではないかと思ってしまう。

前日のブログでも書いたが、世はエコ時代である。省エネのために様々な工夫がされている。そんなエコ時代を意識しているのだろうか。新幹線はもちろん、窓にはカーテンが付いているし、飛行機にもある。コストを下げるために新しい車両にはカーテンをやめたというわけではないと思いたいが、JRの説明は一切ないので分からない。

カーテンなしによって、冷房した車内の温度はこれまでの旧型よりも高くなっているはずだ。それは省エネ時代に逆行するものだ。デザインを優先したことも考えられるが、カーテンなしの車両の導入は30分以上JRを利用する乗客を大事にする姿勢に欠けていると言わざるをえないのだ。

日本人は、物事を達観してしまう民族らしく、理不尽なことがあっても公的(鉄道もその範疇に入る)なものに対してあまり文句を言わない。そんな国民性をJRは車両の更新に利用したのかもしれない。(追記 熱線回収・UVカットガラスを採用したというが、この夏の異常な暑さでは役に立たない。どの電車を見ても、乗客は太陽光が入る側は避けようと、反対側に優先して座っているのが実情だ)