小径を行く

時代の移ろいを見つめた事柄をエッセイ風に書き続けております。現代社会について考えるきっかけになれば幸いです。筆者・石井克則(ブログ名・遊歩)

556 89歳とひ孫の感動の物語 You Tubeの「まりもマジック」

インターネットの変化を一番感じるのが動画だろう。電話回線、ADSL、そして現在の光ファイバーへとその接続手段が変わる度に速度が増して、現在ではテレビも視聴することができる。こんな時代を背景に動画サイト「You Tube」が急速に普及し、知人の動画も本人が戸惑うくらい「ものすごい」ヒット数(再生回数)を記録している。それほど、感動的な動画である。 その動画の題名は「まりもマジック」(飛穂啓介)という。知人の飛穂さんはビデオ撮影が趣味だ。北海道の自然を撮影した傑作もある。彼は撮影した動画を自分で編集もやる。「まりもマジック」は、おばあちゃんと誕生したひ孫「まりもちゃん」の日常をビデオにして、9分超のドキュメンタリー作品にまとめたものだ。 飛穂さんの妻の母親は89歳。寝たきりで在宅介護を受けていたが、ひ孫(飛穂さん夫婦にとっては孫)が生まれてから、日一日元気を取り戻している。それを飛穂さん家族は「まりもマジック」と呼んでいるそうだ。動画の物語は、春から夏へ寝たきりのおばあちゃんと誕生した赤ちゃんを中心に進んでいく。 この作品は第1回日本ドキュメンタリー動画祭(日本財団主催)でグランプリを獲得した。この動画祭の審査委員を務めた映画監督の大林宣彦さんは「感動的な素晴らしい作品だ。静かな語り口のナレーションもいい(飛穂さん自身)」と、最大級の評価をしたという。 それが「You Tube」にもアップされた。そのアップされた作品を見ると、涙が流れるくらいに訴えるものがある。待ちに待ったひ孫を抱いたおばあちゃんの生きる希望が私にも伝わる。それが「怖いくらい」の再生回数になったのだろう。 以前、英国の歌のオーデション番組に登場したスーザン・ボイルさんの「You Tube」映像が信じられない(何千万回)ほどのヒット数を記録した。それに比べると、知人の動画はまだ少ないが、現時点で36万回を超えているから、驚きだ。 それも海外の人たちがかなり見ているようだ。(海外からのコメントが多い)目を丸くして、自分の動画の「You Tube」の再生回数を見ている飛穂さんの顔が目に浮かぶ。