小径を行く

時代の移ろいを見つめた事柄をエッセイ風に書き続けております。現代社会について考えるきっかけになれば幸いです。筆者・石井克則(ブログ名・遊歩)

501 パソコンにも相性? データ移行に難航

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購入して5年が経過したデスクトップ型パソコンの調子が悪くなったため、仕方なく新しいものに買い替えた。OSがウインドウズXPからビスタになったくらいで、操作はそう変わらないし「USBフラッシュメモリ」という重宝な道具があるので、旧パソコン(かろうじて使える状態の時もあればフリーズ、起動せずの何でもありで、全く不安定)から新パソコンへのデータの移行も簡単だと思った。 その通り、ほとんどのデータ移行がうまくできた。それでも最後だと思って進めた住所録だけは難航した。周辺機器との相性の悪さが原因と分かるまでに1日も費やしてしまった。最先端を行く電子機器なのに相性があるのだから、それはそれで面白い。しかしそれを発見するまで使った時間はやはりもったいないとも思うのだ。 新しいパソコンがきて、まずやったことはインターネット用の無線ランの設定で、これが済むとIEでインターネットが自動的につながるようになった。IEのお気に入りは、インポートとエクスポートで簡単に終わった。 メールソフトはOutlookではなく、Beckyというソフトなので、あらためてソフトをインストールし直す。購入したときのシリアル番号とメールアドレスを入力してダウンロードする。受信メールと送信済みメール、アドレスはエクスポート、インポート機能を利用しスムーズに終了した。毎日つけている日記ソフトも同じようなやり方で成功した。 新しいパソコン用に、地上デジタルテレビを見ることができる外付けのチューナーを購入したが、このソフトも簡単にインストールできた。実は、この周辺機器が意外な悪さを働くとは、思いもつかなかった。ほぼデータの移行が終わり、残ったのは年賀状作成ソフトでつくった住所録だった。そのソフトは「宛名職人2009」というもので、もちろんウインドウズビスタにも対応している。 ソフトのインストールもうまくでき、USBメモリにコピーした2つの住所録をインポートした。ここまでは成功だった。だが、パソコンを再起動して、宛名職人をクリックしても、立ち上がらない。マニュアルやメーカーのHPのQ&Aで注意事項を見る。インストールの際ウィルスソフトは機能を停止するなど何点かの注意を守って、やり直すこと数回。しかし同じ症状が続く。 そんなことを繰り返しているうち、何となく外付けのハードディスクを外してみた。この後地デジを見ようとしたら、今度は地デジのソフトが起動しないのだ。ふと、地デジ用のチューナーとソフトが住所録に悪さを働いているのではないかと思った。原因を探るべく、再起動して外付けハードディスクはつなぎ、地デジチューナーをパソコン本体から外し、さらにウィルスソフトも停止させて、宛名職人をインストールし、住所データをインポートした。 成功だった。再起動すると住所録も開くし、地デジの方も問題なく見ることができるようになったのである。地デジチューナー(ソフトも含む)と住所録ソフトがなぜ相性が悪いのか、私には分からない。双方が同じメーカーならマニュアルに注意事項として記すことが可能だろうが、メーカーが別なので、それも期待できない。仕方ないかと思う。それにしてもこんなことで悪戦苦闘するのだから、パソコンは繊細な電子機器なのである。 パソコンはますます多機能になり、現代社会を支える極めて有力な頭脳といっていい。しかし、脆弱さも秘めている。システム更新で大企業が繰り返した失敗は数限りない。システムに重大な影響を及ぼすといわれた2000年問題を振り返ってみても、パソコンにはいつも不安が付きまとうことを忘れてはならないことを体験したことしのお盆だった。 追記 メーカーに問い合わせたところこの問題に関して、次のような回答があった。 「宛名職人が正常に終了しておらず、OS側で実行されていると認識されているため、宛名職人が起動しない可能性があります」とあり、5つの手順でタスクマネージャーから強制終了を試してほしいと続いている。さらに「起動する場合にはアイコンのショートカットからやり、住所録ファイルなどをダブルクリックしての起動は正常に起動できかねる場合があります」と注意事項が書いてあり「ファイルを開く場合は、アプリケーションを起動後にガイドメニューの住所録を作成・開くや上部メニューのファイル内の住所録ファイルを指定して開いてください」と記されていた。 OSが替わったら、なぜかこのアプリケーションは使いにくくなったようだ。パソコンとはこういうものなのかと思う。