小径を行く

時代の移ろいを見つめた事柄をエッセイ風に書き続けております。現代社会について考えるきっかけになれば幸いです。筆者・石井克則(ブログ名・遊歩)

454 エコ時代の落とし穴 自転車のひどいマナー

地球温暖化につながる温室効果ガス(二酸化炭素=CO2など)の増大対策として「車に乗るよりも自転車を」という掛け声が盛んだ。

基本的には賛成だが、最近後ろからきた自転車にぶつけられ、ヒヤリとした経験がある。それだけに自転車に乗った人のマナーの悪さを見ると、このキャンペーンに諸手を上げることはできないのだ。

事故というのは、突然やってくる。朝のテレビの星占いで、私の星座、みずがめ座は一番運勢がいいとやっていた。きょうはいいことがあるなと家を出た。歩いても駅まで15分だが、のんびりと自転車に乗った。

駅前の駐輪場に入るためほぼ止まる状態にあったとき、いきなり後ろからやってきた自転車に追突され、私は自分の自転車と共に左に倒れた。相手の車輪に当たった右手に血がにじんでいる。

相手はスーツ姿の30代の男で、両耳にはイヤホーンが挟んであり、音楽を聴きながらかなりのスピードで走っていたようだ。彼は私が倒れたのに手を貸そうともせず、ぼうーっとしている。さらに何の言葉も掛けない。

私が立ち上がり、大丈夫な様子を見ると、言葉を発しないまま、頭を軽く下げただけでまた自転車に乗って行ってしまった。

一瞬の出来事で、私の右手は少し血がにじんでいた。幸いほとんど打撲もなく、痛みは半日で消えた。この程度で済んだのでよかった。しかし、彼は自分がした行為をどう思ったのだろうか。大したことはないと思ったのかもしれない。

でも、そうではないはずだ。人が多い通りで、無謀なスピードを出せば、自転車は凶器になるのである。

夜道なのにライトを点灯せずに走る自転車も少なくない。というよりも、私が見る限り半分の自転車はライトを点灯せずに、しかも昼間と同じスピードで走っている。腹が立つほどその人たちは傍若無人だ。その結果、歩行者との重大事故に至る心配がある。

たしかに自転車はエコにつながる。さわやかな日和には風を切って走る自転車は気持ちがいい。だが、スピードを出しすぎると凶器になってしまうことを自転車愛用者の1人として自戒したいと思う。