小径を行く

時代の移ろいを見つめた事柄をエッセイ風に書き続けております。現代社会について考えるきっかけになれば幸いです。筆者・石井克則(ブログ名・遊歩)

446 コーヒーオベーション バラの季節に

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コーヒーが好きだ。毎日何杯かのコーヒーを飲む。このところ、もっぱらネパール産を飲んでいる。しかし、10月1日が「コーヒーの日」であることは最近まで知らなかった。 この日をコーヒーの日にしたのは、主産地であるブラジルのコーヒー豆の収穫が9月でほぼ終わり、10月から国際協定で「コーヒー年度」に入ることや日本のコーヒーの消費量が秋から冬が一番多いため、全日本コーヒー協会が1983年に定めたのだそうだ。 いまバラが美しい季節だ。コーヒーにちなんだバラもあり、その可憐な花を見ながら庭先で飲むコーヒーは格別だ。それは「コーヒー オベーション」(オランダ・De Ruiter社 2000年)という名前のミニバラだ。コーヒーに喝采というような意味だろうか。 深みのある茶色(橙色に近い)で、気品がある。日本では2002年に発売されたが、最近急速に人気が出ている種類だそうだ。「丸弁のカップ咲きの花形がとても斬新でバラの常識を覆したような印象を受けた」と、京成バラ園の研究者もHPで書いており、青いバラほどではないにしても注目を集めているようだ。 一昨年にわが家でも鉢植えを購入した。しかし、手入れが悪かったせいで、ことしの春に枯れてしまった。最近、近所のホームセンターでたまたまこのバラを見かけ、購入した。バラを専門に扱っている京成バラ園では以前から販売していたが、ホームセンターで販売しているのは初めてであり、飛びついてしまった。四季咲きで秋のコーヒーの日のころが一番美しい花をみることができるという。 バラの品種は年々増えている。美しく、丈夫なバラを目指して世界の研究者たちが競っているからだ。バイオを利用した品種改良だ。サントリーオーストリアのバイオベンチャーと協力して14年かけて研究を進め、04年に青いバラ開発に成功した。ことし中の販売を目指して生産体制を整えているという。 一方、タキイ種苗でも「ブルーヘブン」という名前の青いバラを既に販売している。(これも以前にホームセンターでけっこう高い価格で購入したが、数年で枯らしてしまった) それにしても、バラは手間がかかる植物だ。それが愛好者にはいいのかもしれない。最近は朝食後、黒星病にやられたバラの葉を摘み取り、さらに散り始めた花柄を取るのが日課だ。5月のすがすがしい空気の中で、バラとの短い対話の時間でもある。