小径を行く

時代の移ろいを見つめた事柄をエッセイ風に書き続けております。現代社会について考えるきっかけになれば幸いです。筆者・石井克則(ブログ名・遊歩)

440 ドイツスズラン 心和む日和に

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スズランの花は、小さな鈴のような形をしていて愛らしい。薄いピンクの花のスズランを3年前にホームセンターで購入した。「ドイツスズラン」という名前がついていて、小さな鉢植えなのにけっこういい値段だった。成長が遅く、これまで2年間は花が咲かなかったが、ことしになって初めて花を見ることができた。 正式名は「コンバルラリア マジャリス」という。ドイツから輸入されたもので、日本在来種の白いスズランよりも香りが強く、花茎は葉の高さと同じくらいに伸びるそうだ。在来種は花茎が葉のより低いというから、ドイツか日本かはそれで見分けが付く。 スズランの花言葉は「幸福が訪れる」や「純愛」「繊細」「優雅」とプラス面を表している。その花言葉のように、5月の明るい太陽の下、ドイツスズランの小さな花が輝いている。木陰の在来スズランもちらほらと花が咲き始めた。この花を見ていると、心が和む。 そんな心とは裏腹に、現実に戻ると気持ちは暗くなる。いま、各メディアは連日、豚インフルエンザの感染が急速に世界に広がっていることを伝えている。「冷静に」と言いながら、どのメディアも実はかなりセンセーショナルな扱いだ。2人が新型インフルエンザに似た症状の報道がその典型だ。結果は2人とも新型ではなかった。こんなことが続くと狼少年になってしまい、国民の警戒心が薄れてしまうのが心配だ。 しかし、グローバル化した時代だから、いずれは国内で新型の感染者が見つかるかもしれない。舛添要一厚生労働相は記者会見で「人類の生存を優先」云々という表現をしたが、これはいたずらに危機感をあおるだけで、適切ではない。もう少し言葉を選ぶべきではなかったかと思う。 明日から連休本番だ。好天が予想されている。輝く光の中でインフルエンザの病根を絶ちたいものだ。あるいはこの騒ぎが杞憂であってほしいと思う。