小径を行く

時代の移ろいを見つめた事柄をエッセイ風に書き続けております。現代社会について考えるきっかけになれば幸いです。筆者・石井克則(ブログ名・遊歩)

232 東京マラソンのボランティア そこに知った顔

画像
2月17日に行われた東京マラソンでは、3万2000人のランナーが走った。都心部を走るとあって、沿道には220万人以上の観衆がつめかけた。私もマラソンを見ようと防寒着をまとって東京駅近くまで足を運んだ。観衆もランナーもものすごい人の波だ。そこで黄色いウエアをまとったボランティアに気がついた。 私の友人の1人が東京マラソンのボランティアをやっているので、行ってみることにした。地下鉄銀座線京橋を降りたすぐ近くの京橋交差点で彼は立っていた。この周辺の観衆の整理が彼の担当だった。いたいた。肩をたたく。けっこう板についている。 彼は単身赴任した大阪でマラソンを始めた。交代制職場で単身者は、身体にいいことはあまりしない。そこで走ってみようかと、やってみたら意外と楽しい。それからマラソンにはまった。練習は基本的に10-15キロを週3回走った。その上で海外の3回を含め、マラソン挑戦55回。前回の東京マラソンの記録を聞くと、4時間26分という答えが返ってきた。タイムよりも完走することが目的だったようだ。これまでの最高タイムは3時間43分だ。歯を食いしばって走ったのではないかと想像する。 そんな友人がなぜ今回はボランティアを志願したのか。実は彼は昨年左足のひざの痛みを感じ、病院でひざ軟骨剥離骨折(いわゆる関節ネズミ)と診断され、手術したのだ。そのためにまだ左足は本調子ではなく、東京マラソンにかかわるためにボランティアに応募したのだ。「けっこう楽しいよ」と話す友人は、来年は再びこの大会のフルマラソンに挑戦するそうだ。
画像
彼と会ったあと、有明のゴール地点に行った。ここではウインドブレーカーやメダル渡しで多くのボランティが忙しそうに動いていた。夕方には完走者はもちろん、ボランティアも達成感に浸っているのではないかと思ったものだ。この大会に協力したボランティは1万2000人だ。