小径を行く

時代の移ろいを見つめた事柄をエッセイ風に書き続けております。現代社会について考えるきっかけになれば幸いです。筆者・石井克則(ブログ名・遊歩)

187 官も民もひどい乱れ これが日本の現状

防衛省厚生労働省のいい加減さが毎日話題になっている。いつの時代でも、悪い奴や責任を逃れようとする役人はいる。日本だけでなく、隣国、中国でも公務員の汚職はひどい実態にあるという。

いま、2つの省以外の役人たちは、どんな思いで報道や国会の動きをみているのだろうか。たぶん、冷ややかに、あるいはこちらは大丈夫かなと内心で恐れながら、嵐の過ぎるのを待っているのかもしれない。官もひどいが民もひどい。この日本はどこへ行くのか。

厚生労働省の「無責任体質」は、いまも昔も変わらない。C型肝炎の問題もそれを示している。防衛省の方も同様だ。前の事務次官は、たまったストレスの発散のために、出入り業者のゴルフ接待を当然のように受ける。

それは、庶民には到底信じられないほどの回数であり、まるで水戸黄門のドラマに出てくるような、袖の下を要求する悪代官と店の拡大を狙う大店のだんなの付き合いみたいで、深刻になるというよりも、馬鹿さ加減に笑ってしまうのだ。

官だけでなく、民の方もどうなっているのかと思うほど「利益優先」を貫いた食品関係会社や老舗土産店の不祥事が相次いでいる。北海道のミートホープ社の事件以来、次から次にと、ワイドショーにネタを提供する事例が後を絶たない。

一度、甘い汁を吸うと、その味を忘れることができずに、不正を続ける。しかし、どんな時代にあっても、内部告発=タレコミをする人間は存在する。

社会正義のためや自分の利益のためにと、動機はさまざまだろう。だが、ことしのように企業をめぐる不祥事が相次いで表面化するのは、内部告発が多くなっている証左でもあろう。

利益追求もいいが、願わくば企業の社会的使命を再確認し、もうけよりも社会貢献を優先してほしいと考えるのだ。